キム・グァンヒョン(31)がメジャーリーグに進出したことで、2020東京五輪に出場する野球韓国代表が緊急事態に見舞われている。
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キム・グァンヒョンは、2008年北京五輪から韓国代表を支える不動のエースとして君臨。リュ・ヒョンジンがメジャー進出後は、同い年で親友のヤン・ヒョンジョンとともに代表投手を担い、活躍を披露していた。
2017年にトミー・ジョン手術を受けたが、熱心なリハビリと当時所属していたSKワイバーンズの徹底した管理によって完全復活に成功。2019年シーズンは先発投手としてチームをけん引し、31試合17勝6敗の防御率2.51という記録を残した。
シーズン終了後に臨んだプレミア12では、惜しくも日本に敗れ準優勝に終わるも、チームのために尽力した。そして大会終了後、メジャー挑戦を公表したキム・グァンヒョンは、セントルイス・カージナルスのラブコールを受け、球団と契約を結んだ。
夢にまで見たメジャー挑戦をついに叶えることができたのだ。
キム・グァンヒョンのメジャー進出がうれしい一方、2020年東京五輪へ向け準備を進める野球韓国代表は投手陣の弱体化を憂慮している。
2020年シーズンはキム・グァンヒョンのデビューシーズンとなる。新しいリーグや環境に慣れつつ、先発ローテーションの座を得るべくし烈な争いを繰り広げなければならない。ベースを固める時期なだけに、代表チームに合流することは事実上不可能といっていいだろう。
オリンピックに対するメジャー事務局や球団の否定的な視線も、キム・グァンヒョンの代表招集を難しくしている要因だ。この傾向は来年以降も維持される可能性は高い。
状況次第ではあるが、し烈な序列争いが展開される7~8月に、カージナルスがキム・グァンヒョンを代表へと送り出す確率は皆無だろう。
韓国代表は、キム・グァンヒョンがいない想定でオリンピックメンバーを構成しなければならない。
KBOのキム・シジン技術委員長は「代表の戦力が弱体化するといって、グァンヒョンをアメリカでプレーさせないようにすることはできない。彼がいない想定で、今いるメンバーでオリンピックを戦わなければならない」と述べた。
続けて「先発投手が1人外れるだけに、今後はより慎重にチェックをしなければならない。オリンピックは監督やコーチングスタッフ、我々KBOが慎重に接近する必要がある」と、キム・グァンヒョンの穴を埋めることができる法案を徹底的に模索すると付け加えた。
キム・グァンヒョンの穴を埋められる選手をすぐに見つけることが容易でないことは、間違いない。
それでもキム委員長は、「彼がいなくても穴を埋められる選手が出てくると、ポジティブに考えなければならない。来シーズンには誰が怪我するかまだわからない。素晴らしいピッチングを見せる投手が現れる可能性もある」と希望を語った。
そして、「2019年は外国人投手が良い投球をしたことで、国内出身選手の起用の幅が狭かった。国内の投手がもっと努力すれば来シーズンの活躍に期待できるだろう。オリンピックでもキム・グァンヒョンの穴を埋められる選手が出てくることに期待したい」と、2020年シーズンの国内出身選手の奮起を願った。
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