野心あふれる第一歩を踏み出したが、大きな進展はない。
メジャーリーグ進出を表明したキム・グァンヒョン(31・SKワイバーンズ)とキム・ジェファン(32・斗山ベアーズ)の去就が未だ不透明な状況だ。
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韓国プロ野球を代表するスター選手2人のメジャー挑戦は、一体どんな結末を迎えるのだろうか。
韓国野球委員会(KBO)は、11月28日にML事務局へキム・グァンヒョンのポスティングを要請したと発表した。MLポスティング公示後は、30日以内に契約を結ぶ必要がある。
つまり、キム・グァンヒョンは12月中に去就が決まる予定だ。移籍先に挙がる球団はさまざまであり、幸いにも高い関心が寄せられている。
シカゴの地域メディアは「シカゴ・カブスは、巨額を出さなくとも先発陣を構築できるチャンスがある。キム・グァンヒョンにも関心がある状況だ」と報じた。
ここに加えてサンディエゴ・・パドレスやニューヨーク・メッツ、カンザスシティ・ロイヤルズもキム・グァンヒョンに関心を持っている。
キム・グァンヒョンは2度目のメジャー挑戦となるだけに、切実な思いが強い。
5年前は金額面で合意できず、惜しくもメジャー挑戦の夢を断たれたが、今回は違う。キム・グァンヒョンは負傷から復帰後も、全盛期に並ぶコンディションを維持しており、十分な球威と実力を発揮している。今回のメジャー挑戦に臨む思いが強いのも当然だろう。
一方、キム・ジェファンの挑戦は“破格”といっていい。球団関係者やチームメイトでさえも「まったく知らなかった」と口をそろえるほど、秘密裏に挑戦の準備を進めてきていた。
斗山はキム・ジェファンの意思を尊重し、12月5日にKBOにMLポスティング公示を要請した。キム・ジェファンの代理人は「結果がどうなるかはわからないが、選手の人生をかけた挑戦という覚悟で待ち続ける」と強い信頼感を述べた。
キム・グァンヒョンとキム・ジェファンの状況はまったく異なる。
キム・グァンヒョンはポジティブだ。直近ではメジャーのある球団と交渉テーブルを設けて入団に関連した話を交わすなど、メジャー進出が現実味を帯びてきている。
米メディア『ジ・アスレチック』は、12月14日(日本時間)に「パドレスが“韓国サウスポー”キム・グァンヒョンと会った」と報じた。交渉と関連した詳細は明かされなかったが、“直接”会っただけに契約締結も近いと見ていいだろう。
パドレスのA.J.プレラーGMがインタビューで「キム・グァンヒョンを長らく見てきた」と公開発言するほど、関心は高いものとみられる。
左利きの巨砲など、キム・ジェファンと共通点の多かった“日本の主砲”筒香嘉智(28)はすでに行先を確定した。メジャー公式ホームページ『MLB.com』は、12月14日に「タンパベイ・レイズが筒香と2年1200万ドル契約で合意した」と伝えた。
キム・ジェファンは、関連ニュースを探すことすら大変な状況だ。
シンプルなスイングやメジャーの選手にも劣らないパワーは明確な強みであるものの、唐突に市場に表れたためにプロモーションが他の選手よりも不足していた。積極的な獲得意志を示すチームがいないのも致し方ない。
キム・ジェファンと斗山でチームメイトだった投手ジョシュ・リンドブロムがミルウォーキー・ブルワーズと契約するなど、韓国プロ野球選手のメジャー進出が大きな注目を集めている。
関心が高いだけに、否定的な意見や批判も付きまとうだろう。しかし、意味のない挑戦などない。
野球人生最大の目標を達成すべくメジャー挑戦を選んだキム・グァンヒョンとキム・ジェファンの“ハッピー・エンディング”は、もう少し待つ必要があるようだ。
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