試合がスタジアムだけでしか観られない時代はもう終わった。速報を確認すべくテレビに張り付いたことも過去の話だ。
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今の時代、サッカーファンはSNSを通じて自分の好きなサッカーコンテンツを探し、積極的に消費している。特にユーチューブなどといった動画共有サービスの成長は爆発的だ。
韓国プロサッカー連盟(以下、連盟)は、変化にいち早く対応した韓国スポーツ団体のひとつだろう。
2019年1月には“ニューメディアチーム”を新設し、関連業務を専門で担当させた。他にも試合進行と同時に得点やシュート、ハイライトなどの映像クリップを、各種SNSを通じてリアルタイムでファンに提供した。
その結果、インスタグラムやフェイスブック、ユーチューブなど連盟が運営するSNSでは各2万人以上、加入者数やフォロワー数が増加した。
ニューメディアを活用したKリーグ関連コンテンツは試合だけにとどまらない。その代表例が、Kリーグをテーマにしたウェブドラマ『ツー・ハーツ』だ。元B1A4のBAROことチャ・ソヌを主演に抜てきし、その他にも韓国内で有名な芸能人を起用するなど、Kリーグへの関心が薄い層へのアプローチもできた。
全6話で構成されたこの作品は、毎回の劇中に登場したKリーグ関連の人物や事柄について説明するエピローグも収録されている。『ツー・ハーツ』は現在、ユーチューブ累計視聴回数約89万回を記録しており、Kリーグのファン拡大に多大な貢献をもたらした。
有名動画配信者ともコラボレーションし、韓国内で話題を集めた。
昨シーズン、Kリーグ広告大使に韓国で有名なサッカー動画配信者のガムストを選んだ連盟は、これを模範にニューメディア市場の期待効果を確認できた。
今シーズンはパク・ムンソンやイ・ジュホンといったサッカー解説委員はもちろん、カン・ウンビやリルカなど、サッカーファンとして知られる女性動画配信者ともコラボし、新しいコンテンツ量産に注力した。
これにより、メディアデーの風景もがらりと変わった。
司会者として登壇した動画配信者らは、イベントの様子を個人チャンネルを通じて生放送し、イベント終了後には各チームの監督や選手、関係者の裏話を伝えるなどといった新たな試みも行った。
連盟はこれまで、スプリット・ラウンド突入後に減少を辿る観客動員数に悩まされていた。
その対策として、連盟は名称を「ファイナルラウンド」と変更した他、ファンの理解度を試す「Kリーグ・オタク力テスト」を考案。SNSを通じて参加した総勢3700人の応募者の中から、満点の人にプレゼントとメディアデー招待券を贈呈し、“ブームアップ”に一役買った。
結果、今シーズンは過去2年と比較し平均観客動員数に増加が見られた。ニューメディアを活用した広報活動が結実したといっていいだろう。
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