カタールW杯で大注目を浴びた韓国代表の“イケメンストライカー”が、いよいよ欧州の舞台に足を踏み入れる。
韓国代表FWチョ・ギュソン(25)は7月8日、全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で行われたFCソウルとのKリーグ1(1部)第21節を最後に、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースでのプレーを終えた。
全北は翌9日、公式SNSを通じてチョ・ギュソンの退団を発表した。
チョ・ギュソンはデンマーク・スーペルリーガのミッティランに移籍する。全北に移籍金260万ポンド(日本円=4億7580万円)を残し、新たな挑戦に乗り出す。
今回の移籍報道を巡っては、韓国サッカーファンの間で議論が勃発した。特に大きかったのはデンマークリーグに対する懸念だ。
デンマーク・スーペルリーガはUEFAリーグランキングで17位にとどまる“辺境リーグ”であり、そのリーグ内でミッティランは昨季12チーム中8位に終わっていた。
そのため、チョ・ギュソンが今後さらに飛躍するうえでの選択としては、それほど良いチームではないという意見が大半だった。イングランドやドイツなど、欧州ビッグリーグからのオファーを待った方が良いという声もあった。
そこで目を向けられたのが、全北のテクニカルディレクターを務めるパク・チソン氏の手腕だ。
チョ・ギュソンは昨年のカタールW杯に出場した際、グループステージのガーナ代表戦で2ゴールを記録。その活躍ぶりと端正なルックスが話題を集め、“イケメンストライカー”として一躍世界の注目を浴びた。そして、大会終了後には欧州進出も噂され、複数クラブからオファーが届いたと伝えられた。
ただ、パク・チソン氏は昨冬の移籍市場でチョ・ギュソンの欧州進出を見送った経緯がある。そのため、彼の決定が選手の足を引っ張ったと指摘されたのだ。
だが、チョ・ギュソンは自らデンマーク行きを選択した。
チョ・ギュソンは8日の試合後、「人々は目に見えるものだけを信じている。なぜ怒っているのかがわからない。パク・チソン・ディレクターが助言をしてくれたことはない。選択は自分がすることだ。ディレクターは僕のために、より良いオプションが何なのか、僕だけを考えてくれる」と、最終的な選択は選手自身の役目だという考えをハッキリと語った。
また、「まったく後悔はないだろう。冬にマインツやセルティックの話も出ていたが、それも後悔はない。決定は自分が下し、責任も自分が負う。これまでの人生で自分が決定して後悔したことはない」と強調した。
続けて、「冬に移籍できず、その後話をしたが、一つ目は試合に出場できるかが重要だった。二つ目はクラブが自分をどれだけ望んでいるかも重要だった。選択がまだ終わったわけではないが、どこが自分のことをより望んでいるのかという質問を自分でたくさんした。この先待っていても良いチームが来るか来ないかはわからない」とし、現時点で自身の獲得を強く望むミッティランを選択した背景を明かした。事実上、自身を巡る議論を収束させる発言だ。
ラストマッチとなったソウル戦でチョ・ギュソンはゴールを決め、全北を2-1の勝利に導いた。これで全北は3位ソウルと同率の勝ち点33とし、順位を4位まで引き上げ、上位進出への足場を築いた。
チョ・ギュソンは全北に対する愛情が大きい選手だ。全北所属で昨年のカタールW杯にも出場しただけに自負心も強い。
「全北現代の所属選手というのが自負心だった。自信の源だった」というチョ・ギュソンは、「代表に選ばれてW杯に出場したとき、全北の名前が出たことが誇らしかった。全北の選手として大きなプレゼントをもらった気分だ。応援さえしてくださるのであれば、どこに行ったとしても良いプレーをお見せしたい。簡単ではない挑戦であることはわかっているが、ファンを信じて一度挑戦したいと思う。多くの応援をお願いしたい」と伝えた。
チョ・ギュソンは9日、仁川(インチョン)国際空港を通じて出国した。ドイツ・フランクフルトを経てデンマーク行きの飛行機に乗る。
欧州組に仲間入りしたチョ・ギュソンの挑戦はこれからだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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