ソン・フンミン(27・トッテナム)を筆頭にするサッカー韓国代表の欧州組アタッカーが、ブラジルとの親善試合に総出場する見込みだ。
パウロ・ベント監督率いる韓国代表は11月19日22時30分(日本時間)、UAEのムハンマド・ビン・ザーイド・スタジアムでブラジルと親善試合を行う。
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今回の親善試合は、2022年カタールW杯アジア2次予選で中東を訪れている韓国と、グローバルツアーの一環でアルゼンチンとの親善試合をサウジアラビアで行ったブラジルの日程が、タイミングよく合ったからこそ生まれたものだ。
FIFAランキング3位のブラジルに対し、韓国は通算対戦成績で1勝4敗と負け越している。
ブラジルの主要メンバーは、看板ストライカーのネイマール(PSG)が負傷離脱したのみで、他の面子は豪華だ。アリソン・ベッカー、ファビーニョ、ロベルト・フィルミーノ(以上リバプール)、ウィリアン(チェルシー)、カゼミーロ(レアル・マドリード)、フィリペ・コウチーニョ(バイエルン・ミュンヘン)など、欧州屈指のビッグクラブで活躍する選手が数多く揃っている。
一方の韓国は、ワールドカップ出場を目指す重要な局面を前に最善の顔ぶれとなった。
韓国のエースでありキャプテンのソン・フンミンをはじめ、ファン・ウィジョ(ボルドー)やイ・ガンイン(バレンシア)、ファン・ヒチャン(ザルツブルク)、イ・ジェソン(ホルシュタイン・キール)、クォン・チャンフン(フライブルク)と、6人の韓国代表選手が欧州の舞台でプレーしている。そして、どの選手もFWや攻撃的MFを主戦場としている。
このなかで、代表戦でブラジルと戦った経験があるのはソン・フンミンのみだ。
韓国が最後にブラジルと対戦したのは6年前。ルーキー時代からA代表に選ばれていたソン・フンミンは、2010年12月30日にシリアとの親善試合でA代表に定着し、2013年10月12日にホームで迎えたブラジルとの親善試合にも出場した。
当時21歳の若さでレバークーゼンで活躍していたソン・フンミンは、0-2と敗れていた後半にク・ジャチョルと交代でピッチに足を踏み入れた。
しかし、同い年のファン・ウィジョとイ・ジェソンは、彼よりも遅い2015年に代表デビューした。1994年生まれのクォン・チャンフンや1996年生まれのファン・ヒチャンは、当時世代別代表に選ばれていた。現在18歳の“末っ子”イ・ガンインは、今年夏のU-20ワールドカップで韓国を準優勝に導いたヒーローだ。
韓国代表は、攻撃陣だけを見れば間違いなく過去にない最高レベルに達している。多くの選手が夢を持って欧州の門を叩き、イングランドやスペイン、ドイツ、フランスなど、各地で新たな挑戦をしている選手たちは、所属チームの中心選手としての活躍を引っ提げて代表チームに合流した。
ソン・フンミンは開幕15戦で8ゴールと過去にないペースで得点を量産し、ファン・ウィジョは主要ポジションではなくても10月に2ゴールを決めており、成長がうかがえる。ファン・ヒチャンはUEFAチャンピオンズリーグの舞台で怪物級DFを相手にした堂々たるプレーで注目を浴びており、イ・ガンインは監督交代によって出場機会が増加し、本来の才能に経験が備わってきている。
MFイ・ジェソンはゼロトップの役目を遂行し、7ゴール2アシストでドイツ2部リーグをかき回している。シーズン序盤のチームの躍進によって、ベンチを温める機会の多いクォン・チャンフンも、昨シーズンまでフランス1部で活躍した経験がある。
韓国代表は、12月に行われる東アジアサッカー連盟E-1選手権をもって今年の代表日程を終える。だが、E-1選手権はFIFAの主管ではないため各クラブに代表派遣義務はない。
そのため、欧州組含むベストメンバーを試すことができるのは、今年は事実上ブラジル戦が最後となる見込みだ。
ブラジルは今回の韓国戦が今年最後の親善試合となる。6回目となる今回の対戦は、ブラジルサッカー協会側から先にオファーが送られ、Aマッチが実施されることとなった。つまり、ブラジルがスパーリングパートナーとして韓国を選んだことになる。
今回の対決はこれまでと違い、韓国代表には鋭い“矛”が多く揃っている。ブラジル相手に互角の戦いを見せられれば、11月14日のワールドカップ予選でレバノン相手にドローに終わった痛みからもすぐに抜け出せるだろう。
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