元ガンバ大阪の韓国代表FWファン・ウィジョ(30)が、FCソウルへのレンタル期間終了を目前に控えている。
ソウルは5月28日、本拠地ソウルワールドカップ競技場で行われたKリーグ1第15節で江原(カンウォン)FCと対戦し、1-0で勝利した。
この試合で先発出場したファン・ウィジョは試合後、報道陣の取材に対応。「僕が(ソウルに)来てもう5ヶ月が経った。(レンタル期間終了まで)あと1カ月ほど残っているが、第一の目標はソウルが高い順位で競争し、勝つ習慣を身につけ、相手に“恐ろしいチームだ”という認識を植え付けることだった。将来のことは残りの試合をすべて消化して考えたい」と伝えた。
昨夏にイングランド・プレミアリーグのノッティンガム・フォレストに移籍したファン・ウィジョは、同時にギリシャのオリンピアコスにレンタル移籍するも戦力外状態が続いたことで、今年2月に短期間のレンタル契約でソウルに加入した。契約期間は6月30日までだ。
今夏の欧州新シーズン開幕に向けてKリーグでコンディションを引き上げ、再起を模索するという意志が伴った決断だった。
ソウルを率いるアン・イクス監督とは、自身がプロデビューした城南(ソンナム)FC時代以来の再会に。そんな師弟の縁もあってか、指揮官の信頼を得たファン・ウィジョはここまでリーグ戦14試合(先発12試合)に出場している。ただ、結果面では2ゴール2アシストと開幕前の期待には及んでいない。
サッカーファンの間では、昨夏に欧州で移籍交渉が遅れたため、十分な体作りに失敗した影響が現在も続いているという声も出ている。
それでも、ファン・ウィジョはクオリティの高い連係プレーとチャンス演出でソウルの攻撃をけん引している。アン監督の掲げるビルドアップサッカーにおいて最適の1トップという評価も受けている。
ファン・ウィジョが前線で上手くボールを収めてくれるおかげで、元FC東京のFWナ・サンホ(26)をはじめ、ブラジル人FWウィリアン(29)、FWイム・サンヒョプ(34)などウィンガーの得点力も回復している。
ただでさえロシア人FWスタニスラフ・イリュチェンコ(32)がコンディション不良により欠場が続くなか、チームがファン・ウィジョに依存している部分も大きい。
それだけに、アン監督もファン・ウィジョの去就については敏感に反応した。
指揮官は「誰もがビッグリーグに行きたがるだろう。選手の意見を尊重しなければならない」としつつも、「もちろん、(残るだろうという)期待感もある」と率直な思いを隠さなかった。ただ、「選手にプレッシャーを与えるのは幸せを奪うことだ」とし、ファン・ウィジョの選択を支持することを強調した。
ファン・ウィジョのレンタル元であるフォレストは、29日に行われたプレミアリーグ最終節でクリスタル・パレスと1-1で引き分け、9勝11分18敗の勝ち点38を記録し、20チーム中16位でシーズンを終えた。シーズン中盤には降格圏内を彷徨った時期もあったが、最終節を前に残留を確定していた。
ファン・ウィジョは以前、「フォレストの結果をよく見ている」と話したことがある。現在も英語の課外授業を受けているなど、プレミア進出を念頭に準備を進めているようだ。
「フォレストが残留したというニュースを聞いた。ひとまず、(ソウルとの契約が)終わる時期に代理人とよく話し合って決めたい」と伝えたファン・ウィジョ。ソウル残留か欧州復帰か、今夏の去就を見守りたいところだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.
前へ
次へ