初めてWBCの舞台に立った大谷は同日、メジャーリーグで見せる二刀流を日本のファンの前で完璧に再現した。
投げては4回一死まで1被安打5奪三振というパーフェクト・ピッチングを披露し、堂々とマウンドを降りた。最速161kmのファストボールを中心に、中国打者が見たこともない球を投げ続けた。
打っては1-0で迎えた4回裏、一死一、三塁のチャンスで左中間フェンス上段に直撃する2打点二塁打を放ち、点差を3点に広げた。大谷のワンマンショーで侍ジャパンは着実にリードを得た。
ところが、大谷の活躍を除けば、侍ジャパンは試合中盤までもどかしい流れが連続した。“格下”とみられる中国相手に序盤のチャンスをモノにし、コールド勝ちを狙うこともできたが、そのチャンスを自らふいにした。
例えば、1回では中国先発投手の乱調に乗じて無死満塁のチャンスをつかんだ。ラーズ・ヌートバー(25、セントルイス・カージナルス)が安打で出塁し、近藤健介(29、福岡ソフトバンクホークス)、大谷、村上宗隆(23、東京ヤクルトスワローズ)の3者連続四球で押し出しによる先制点を得た。
しかし、吉田正尚(29、ボストン・レッドソックス)が遊飛で退くと、岡本和真(26、読売ジャイアンツ)の右飛からタッチアップを狙った近藤もタッチアウト。無死満塁のチャンスでわずか1点しか取れなかった。
2回も、一死から源田壮亮(30、西武ライオンズ)が内野安打で出塁するも牽制死となり、冷や水が差された。その後、甲斐拓也(30、福岡ソフトバンクホークス)、ヌートバー、近藤の3連続四球で二死満塁とするも、大谷が遊ゴロに倒れチャンスが霧散した。
3回でも2四球から二死一、二塁のチャンスを逃した日本は、4回の大谷の2打点二塁打で辛うじて点を得たが、それ以降も再び点はなかった。
そうするうちに、大谷の後を継いで登板した戸郷翔征(22、読売ジャイアンツ)が直球勝負に固執し、6回表に奇襲的なソロ本塁打を浴びた。3-1、2点差の接戦だった。
侍ジャパンはこれ以上逃げられなかった。4回の大谷の打点以降、得点がなかったが、7回に先頭打者の牧秀悟(24、横浜DeNAベイスターズ)がソロ本塁打を放ち、1点を加えた。
そして、8回になって遅れて打線が爆発した。大谷の右前安打、吉田、岡本の四球で作った一死満塁で、代打の山田哲人(30、東京ヤクルトスワローズ)が適時打を放つと、源田の四球押し出し、甲斐の2打点二塁打で8-1まで点差を広げた。
最終的にコールドゲームには失敗したが、大谷の投打ワンマンショーで侍ジャパンが中国を大破した。
なお、本日(3月10日)19時からは侍ジャパン対韓国代表の試合が行われる。
(記事提供=OSEN)