映像を通じて公開されたサッカー北朝鮮代表は、思ったよりも強かった。激しいラフプレーもあったが、全体的に韓国代表は苦戦していたといわざるを得ない。
韓国サッカー協会は10月17日、ソウルのサッカー会館で10月15日に行われたカタールW杯アジア予選・第3戦、韓国と北朝鮮の試合映像を公開した。
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北朝鮮側が韓国取材陣の訪朝を許さなかったため生中継は中止となり、録画放送も約束されていたがそれも困難となり、同日、取材陣のみに試合映像が公開された。韓国サッカー協会は、できるだけ早くハイトライト映像を協会ホームページに掲載する予定だ。
北朝鮮は最前線にパク・クァンリョン、チョン・イルグァンを起用。セリエAのユベントスに所属するハン・グァンソンは2列目で、前方2人を援護した。基本的には4-4-2のフォーメーションで、注目されたハン・グァンソンよりもパク・クァンリョンとチョン・イルグァンが目立っていた。
北朝鮮は前方への強いプレッシャーで、韓国に負担を与えた。出場選手はもちろん、ベンチ陣からの大きな声がピッチに響いた。
韓国は前半序盤、北朝鮮のプレッシャーに慌てた様子がありありと見えた。人工芝への適応も不足して地に足がつかず、ミスを連発した。
全体的な主導権は、北朝鮮が握った。
最初の“騒動”は前半7分頃に起こった。韓国のナ・サンホがヘディングでの競り合いでパク・ミョンソンを押したことで、北朝鮮選手団が一斉に抗議した。この過程でチョン・ウヨンとリ・ヨンチョルがお互いを押しのけて体当たりを行ったが、主審と選手たちの制止が入った。
北朝鮮選手たちは、ファールがあると審判に積極的に抗議した。韓国の選手たちは全体的に体が重く見えた。
前半中盤以降は韓国が主導権を奪ってパスを展開したが、北朝鮮の守備は思った以上に堅く、これといった攻撃のチャンスは作れなかった。ソン・フンミンとファン・ウィジョは、ボールタッチの回数自体が少なかった。
正確な数値の把握は難しいが、ボール支配率は3:7から4:6といったところで、北朝鮮がリードしていたと思われる。北朝鮮は前半終盤、ハン・グァンソンのパスを受けたチョン・イルグァンが左足シュートを放つなど、サイドからの攻撃を活発に展開した。
後半開始とともにファン・ヒチャンを投入した韓国は、前半よりも積極的な攻撃を繰り広げた。
北朝鮮は基本的に守備を強固にし、パク・クァンリョンとチョン・イルグァンを中心にカウンターを狙った。188cmの長身を誇るパク・クァンリョンは、スピードでも韓国DFのキム・ヨングォン、キム・ミンジェに負けていなかった。
キム・ミンジェは後半10分頃、パク・クァンリョンのカウンターを阻止しようとして警告を受けた。
韓国は後半中盤、ペナルティボックス内でボールを受けたファン・ヒチャンがキム・ムンファンにつなぎ、キム・ムンファンが強烈な右足シュートを打ったが、北朝鮮GKアン・テソンに止められた。
それが北朝鮮戦で韓国が作り出した最も決定的なシーンだった。試合は0-0の引き分けに終わった。
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