サッカー韓国代表が北朝鮮から中国・北京を経て、10月17日夜12時45分、仁川国際空港を通じて帰国した。
10月15日に平壌(ピョンヤン)の金日成競技場で行われた北朝鮮とのカタールW杯アジア2次予選・第3戦は、0-0で引き分けた。
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韓国代表の主将ソン・フンミンは、「勝ち点3を獲得できなかったことがとても残念だ。僕たちが残念な試合を見せたのは事実」と口を開いた。
今回の平壌遠征は北朝鮮側が生中継を拒否したことで、試合の情報を逐一得ることができない“真っ暗な”遠征だった。特にピッチで北朝鮮選手と戦った韓国代表は、相手のラフプレーに慌てた。
ソン・フンミンは「僕は得ることがあれば、失うものもあると信じる人間」とし、「今回の試合は勝てなかったので残念だ。選手たちが怪我することなく帰ってきただけで収穫と思うほど、とても荒々しかった。僕たちはそうでもなかったが、北朝鮮の選手たちが鋭敏に反応して荒々しく出てきた」と説明した。
ラフプレーで一貫した北朝鮮によって、試合中には一触即発の状況も発生した。南北の選手がハーフライン付近で“神経戦”を繰り広げたのだ。
ソン・フンミンは「サッカーをしていれば、ぶつかり合いになることは十分にあり得る。でも誰がどう見てもラフなプレーだった。北朝鮮の作戦であったとも思う。他の試合より、鋭敏に(北朝鮮選手たちが)反応したこともある」と説明した。
また「僕は嘘をついてはいけない選手として、正直(北朝鮮選手たちに)ひどい悪口も言われた。あまり記憶したくない言葉だった」と、殺伐とした状況を振り返った。
この日の試合は、29年ぶりに平壌で行われた南北戦だった。その分、韓国内では多くの関心が寄せられた。しかし北朝鮮の事情は違った。徹底的に非公開を貫いて、今回の試合を進めた。競技場に平壌市民が誰も来ない“自発的な”無観客試合だった。
しかしソン・フンミンは、むしろその点を別の視点でとらえた。彼は「(無観客試合に)動揺するより、自分たちを強いチームだと考えているんだなと思った。そんなことに神経を使うよりも、自分たちの試合に集中した。平壌に行って眠って食べることに神経を使った」と説明した。
試合前日、北朝鮮に入国した韓国代表は、平壌の高麗ホテルで統制された生活を送った。チェ・ヨンイル団長も、選手団は高麗ホテルで出入りを統制されたと伝えた。
ソン・フンミンは「どこに遠征しても同じだ。そんなことがあるものと思っている。鋭敏な問題だったし、選手たちも気をつけた。選手だけでなく、スタッフもたくさん苦労した。記憶に残るようだ。多くの選手が苦労しただけに、よく帰ってきた。韓国で試合するときは、勝つことが答えだ」と明らかにした。
続いて「個人的には良かった。睡眠をたくさんとれて良かった。選手同士でおもしろい話もたくさんした。試合の話よりも、リラックスできるように選手たちと自由に会話した」と付け加えた。
今回の試合は南北のエース、ソン・フンミンとハン・グァンソンの対決にも注目が集まった。
しかし当事者であるソン・フンミンは、「(ハン・グァンソンは)あまり目立たなくて」と伝えた。また試合後、北朝鮮の選手たちとユニホームを交換するかどうかに関心が寄せられたが、ソン・フンミンは「あえて…」と言葉を濁した。
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