「最低目標はマイアミ行きの飛行機に乗ることだ。我々は全員が“できる”という自信で一丸となっている」
再び世界を驚かせるときだ。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を戦う韓国代表メンバー30人がついに一堂に会した。
韓国代表は3月2日、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで全選手が集まり、トレーニングを行った。
前日に韓国に入国したトミー・エドマン(27、セントルイス・カージナルス)、キム・ハソン(27、サンディエゴ・パドレス)のメジャーリーガー2人も初めて代表に合流し、チームメイトと息を合わせた。
今大会屈指の二遊間コンビを組む2人が合流した初日の練習で、韓国代表は厳重なセキュリティが敷かれたなか、85分間(ウォーミングアップ時間含む)で守備シフトと作戦をチェックした。
韓国代表を率いるイ・ガンチョル監督は「セキュリティを維持してほしいという話はしたことがないが…」と冗談を交えつつ、「(エドマンとキム・ハソンが)メジャーリーグのオープン戦まで終えてようやく合流したが、守備シフトや作戦などは一度も接することができなかったため、熟知する時間を設けた」と伝えた。
また、エドマンの陽気で積極的な性格には「選抜して良かった」と満足げな表情を浮かべた。
非公開練習後に行われたトレーニングには、30人の選手全員が明るい表情で臨んでいた。お互いコミュニケーションを取り笑顔を見せつつも、各自がトレーニングをする際はいつにも増して真剣な表情で、悲壮な覚悟を表していた。
アメリカでのキャンプ終了後、飛行機の機体故障というアクシデントで韓国帰国まで35時間を要したこともあってか、イ監督の声はややかすれていた。しかし、表情は明るかった。
「選手全員がとても疲れているはずなのに、疲れた様子はなかった。午前にも決まったスケジュールを欠かさず消化するなど、良い雰囲気だ」という。
本日(3日)、高尺スカイドームで行われるSSGランダースとの強化試合を最後に、WBCに向けた非公式練習日程を終える。実戦で用いるラインナップの輪郭が明らかになる段階だという意味だ。
イ監督は「先発ラインナップと投手運営の構想は輪郭を固めた。明日(3日)は非公式練習のため、(メジャー組の)エドマンとキム・ハソンは強化試合に出場できない。当初は10イニングで行う予定だった試合を9イニング制とし、2人はライブBPで感覚を維持する方向に変更した」と説明。
「強化試合が終われば、第1戦(9日のオーストラリア代表)と第2戦(10日の日本代表戦)に出場する投手を決めることができるだろう」と、多くは語らなかった。
初めて韓国代表ユニホームを着用して練習に臨んだエドマンは、仲間たちの視線を一身に集めた。
エドマンが打撃練習をする際は、ほとんどの選手が動作を止めて動きを注意深く見守っていた。
エドマンは「あまりに多くの人に一度に会って混乱したりもしたが、とても楽しい。初練習で代表チームだけのプレー(守備シフトなど)も学び、練習も一緒にしたが、良い選手が本当に多いという印象を受けた」と笑顔を見せた。
過去にミネソタ・ツインズでもプレーしたパク・ビョンホ(36)や、現役メジャー組のキム・ハソンが先に近づいて親近感を示したおかげで、チーム適応に困難がなかったというエドマン。
「韓国のファンはレベルが非常に高いことを知っている。彼らの目線を満たすことが、チーム・コリアで僕がすべきことだ」とし、「打撃と走塁、守備に強みを持つだけに、チームが良い成績を出す過程でインパクトのある姿を見せたい」と誓った。
2019年WBSCプレミア以来の代表入り。それもメジャーリーガーとして合流したキム・ハソンは、「数年ぶりに高尺スカイドームで練習した。ホームグラウンドに戻ってきたようで気持ちが良い」と笑顔を見せた。
また、「KBOリーグで一緒に生活し、競争した選手たちと再会できたことが嬉しい。エドマンとも守備連係を合わせてみたが、早くて上手だった。守備をしやすい仲間なので楽しみだ」と伝えた。
キム・ハソンとエドマンの二遊間コンビはWBC出場20カ国のなかでも屈指とされている。「良い評価に相応しい活躍をしなければならない」とキム・ハソンは強調した。
今回、韓国代表はKBOリーグと韓国野球のプライドを取り戻すことをテーマに掲げた。KBOからメジャーに進出したキム・ハソンも同じ考えだ。
「チーム・コリアの目標は、最低でもマイアミに行くこと」と伝えたキム・ハソンは、「(ドミニカ共和国代表入りした)マニー・マチャドなど、(パドレスの)仲間とは“決勝で会おう”と話した。選手全員が“ベスト4以上に行ける”という自信を持って準備している。良い成績を収め、ファンが韓国野球に対する自負心を持てるよう最善を尽くす」と誓った。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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