5年以内の離職率6割超え、Jとの比較も…韓国Kリーグのリアル、「薄給」「搾取」に苦しむハイスペ人材

2023年02月16日 サッカー #Kリーグ

韓国プロサッカーのKリーグは、1983年の発足から今年で40周年を迎えるまで、質・量の両面で成長を図ってきた。

【関連」正直、日本が羨ましい」韓国人選手のホンネ

だが、依然として冷遇を免れない各クラブのフロントをはじめとした「人的インフラ改善」は足踏み状態だ。

サッカークラブでスポットライトが当てられるのは常に選手たちだ。しかし、クラブの歴史を支え、文化を造成する確信を担うのは、“唯一の正規職”であるフロント職員である。

今、世界中ではサッカークラブの価値がますます成績以上のものを要求されるようになっている。

特には社会的価値の実現が浮上し、技術や経済、社会、文化など未来社会の変化とトレンドを展望し、クラブを経営してブランド化することは必須要件になった。

かつては大多数のクラブが職員採用過程で“サッカーに対する情熱”を中心にチェックしたとすれば、今は分野別の専門性と洞察力を持った人材を受給しようと競争している。

そうすると、自然にサッカークラブにはサッカーが好きで、尚且つ外国語に長け、国際業務能力を持ち合わせる“ハイスペック”な人材が目立って多くなった。

“現実自覚タイム”に陥るハイスペ人材

問題は、その大多数の人員が実際の業務環境に失望し、サッカー分野を離れるスピードが日増しに速くなっているという点だ。

本紙『スポーツソウル』が今回、直近5年間でKリーグ1・2部計22クラブ(昨年創設の金浦FCは除く)から退社した人員を調査した結果、「5年目以下の職員」が60%以上であることがわかった。

その原因としてついて回るのは基本的に“薄給”だ。大部分が最低賃金水準に合わせて採用を行う。例えキャリア採用で入社した場合でも昇給幅は大きくない。

「情熱ペイ(“やりがい搾取”を意味する韓国語)」という言葉は依然として存在している。

サッカークラブの業務は基本、平日だけにとどまらず、試合が行われる週末まで続く。さまざまなクラブが“代休形態”で休日を保障しているが、それもまともに履行できないケースが多い。

好きなサッカーと関係した職に就き、華やかな将来を夢見て入社した人材が、いわゆる“現実自覚タイム”に陥って辞表を出す主な理由だ。

昨年、Kリーグ1部11クラブ(軍隊チームの金泉尚武を除く)が支出した選手年俸の総額は1208億6064万ウォン(日本円=約120億8606万円)だった。一人当たりの平均年俸は2億8211万ウォン(約2821万円)で、前年(平均2億4900万ウォン=約2490万円)比約3200万ウォン(約320万円)程度上昇した。

Kリーグ2部11クラブの選手年俸総額は496億4184万ウォン(約49億6418万円)で、一人当たり平均1億2229万ウォン(約1223万円)だった。1部でも2部でも、選手たちは平均的に億ウォン超えの年俸で活動する。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)

ただ、Kリーグのフロント職員として働いて億ウォン台の年俸を受け取ることができるのは、代表取締役やGM(ゼネラルマネージャー)など一部の幹部クラスしかいない。

Kリーグでは長年、1年間の予算で選手の人件費だけに最低でも50~70%が使われている。

経験者も現状を批判「Jリーグと比較して、Kリーグは…」

もっとも、ビジョンを見出せなかったフロント職員の退社ラッシュが続くのは、単純に金銭的な問題だけではない。

前へ

1 / 2

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集