イ・ガンインは96%のパス成功率を記録し、アシスト1回、キーパス2回、完璧なクロス2回、ロングパス4回成功などの記録を残した。文字通り「パスマスター」に近い活躍だった。
パウロ・ベント監督はこの1年8ヵ月間、イ・ガンインにそっぽを向いてきた。
しかし、最終エントリーに抜擢し、W杯初戦のウルグアイ戦に続き今回も交代カードに選んだ。それだけイ・カンインを必要としているという意味だ。
スピードや守備、機動力などで弱点があるとしてもイ・ガンインには否定できない長所がある。チーム内で最も光り輝くパス・センスと正確なキックだ。
守備に不安があるためイ・ガンインを使わないのはある程度理解できる部分だ。ただ、チーム内で最も優れた才能を活用しないのも損な話だ。ベント監督がリスクを甘受して2試合連続でイ・ガンインを投入した決断を下したのも、彼の長所を買っているからだろう。
イ・ガンインはチーム戦術では解決できないパスとキックを駆使する。少なくとも韓国代表チーム内では戦術そのものになり得るタイプだ。
実際、3年前のU-20W杯でもチョン・ジョンヨン監督はイ・ガンインを中心に戦術を構築し、準優勝という大記録を達成した。当時、イ・ガンインは2歳年上の先輩たちに交じっても物怖じせず、最も輝かしい活躍を見せ、大会MVPを受賞した。
ユース・レベルの大会だからといって評価を下げる理由はない。イ・ガンインの能力はスペインのラ・リーガという大舞台でも通用している。
韓国はスペインでもポルトガルでもない。イ・ガンインほどの才能を、チームバランスや守備組織などを理由で無視するのは無駄な贅沢だ。途中出場した2試合でもイ・ガンインは先輩たちができないプレーで活気を吹き込んだ。
ベント監督がポルトガル戦でどのような選択をするかは分からない。ただ、ゴール、そして勝利が必要な試合で、イ・ガンインがチームに確実なプラス要因になることは明らかだ。またもやベンチに座って交代出場することになったとしても、イ・ガンインはポルトガルを相手にも自分の役割を果たすに違いない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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