元女子バレー韓国代表キム・ヨンギョン、2年ぶりの古巣復帰やVNL“12戦全敗”の代表に語ったこと【一問一答】

韓国プロバレーボールVリーグ女子部の興国生命ピンクスパイダーズ率いるクォン・スンチャン新監督との初対面を思い出したキム・ヨンギョン(34)は、「追求する方向、バレーボールが確実だ。以前より良いバレーボールをお見せできそうだ」と期待を示した。

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“女帝”キム・ヨンギョンが帰ってきた。興国生命は6月21日、キム・ヨンギョンの加入を公式発表した。2020-2021シーズンを最後に中国・上海へと移籍した彼女は、2シーズンぶりに古巣復帰を果たすこととなった。

7月8日、Vリーグ女子部4球団が開催した2022洪川(ホンチョン)サマーマッチに姿をあらわしたキム・ヨンギョンは、「国内に戻って来られて嬉しい。国内行きを決めるまで長い時間がかかった。慎重な話だが、今後、私が進むべき方向がある。国内復帰を決定する際、最も大きく考慮した事項だ」と話した。

キム・ヨンギョン

2シーズン前に所属していた古巣は現在、全く違うチームとなっている。クォン・スンチャン監督が新たに指揮を執り、若手選手が主力となったことで平均年齢もグッと下がった。

キム・ヨンギョンは監督について、「釜山(プサン)の男だと言った。大雑把でもあり、男らしい面がある。違うことは違うし、正しいことは正しいと言う確固たるスタイルのようだ。追求するバレーボールも確実だ。その方向に従っていけば、興国生命で以前見せたプレーとは違う姿を見せることができそうだ」と答えた。

まだチームに合流して4日目のキム・ヨンギョン。「面談、ミーティングの雰囲気が良かった。選手たちが成長した姿を見ながら、オフシーズンの準備が本当に良かったと思った。優勝は容易ではないと思うが、最大限準備して良い姿を見せたい」と意気込みを語る。

前日(7月7日)、洪川総合体育館で簡単なウォーミングアップをしていたキム・ヨンギョンは、2試合を観戦したあと、再びソウルへと向かう予定だ。

キム・ヨンギョンと一問一答は以下の通り。

―復帰の感想は。

多くの方の前で話そうとすると震える。来てくださって心から感謝する。国内行きを決めるまで長い時間がかかり、多くのことを考えた。このように国内に戻って来られて嬉しく思う。国内ファンに会えて、わくわくする気持ちも大きい。洪川はプロ選手として初めて来た。バレーボールへの関心に感謝する。帰ってくることになってわくわくし、嬉しい気持ちが大きい。

―前回の復帰時は五輪メダルが目標だったそうですが、今回は。

慎重な話だが、私が前に進むべき方向がある。その部分を考慮しながら国内復帰を考えた。年齢も若くはなく、引退のことは考えなければならない年だ。いろいろ考えた末に国内行きを決めた。引退するというわけではない。

―海外チームからのオファーがあったが、国内行きの最大の理由は。

前の回答と同じだ。海外からコールが来るということだけで自負心が大きかった。大きな舞台でプレーしたいという気持ちも大きかったが、私が前に進まなければならない方向のために決めた。

―言及した方向についての詳しい話は。

具体的に申し上げたくても、まだ決まっていない。方向は考えて、ゆっくり準備しようとする過程だ。具体的に申し上げるには難しい。申し上げられるのは、バレーボールに役立つような仕事をするためだ。

―今季が終わればFA(自由契約)資格を得る。

初めて海外に進出する時、6年を満たしてほしいと思った。チームとの約束でも、私との約束でもあった。6年を満たすことができて嬉しい。

―前回の復帰(2020-2021シーズン)では興国生命が1強と評価された。今年は以前とは違うチームだが。

チームに合流し、練習してから4日目だ。監督とミーティング、面談した時の雰囲気が良かった。練習時や、選手たちの体力や実力が向上したのを見て、オフシーズンの準備がうまくいったなと思った。新シーズン、優勝は容易ではないと思う。昨シーズン1位だった現代建設がいるし、道路公社、GSカルテックスなど上位チームは強い。準備して、最大限良い姿をお見せしたい。

―クォン・スンチャン新監督との話は。

釜山の男だとおっしゃった。大雑把でもあり、男らしい面がある。違うことは違うし、正しいことは正しいとはっきりおっしゃる。追求するバレーボールも確実だ。その方向によく従えば、良いバレーボール、興国生命が以前見せていたプレーよりも違う姿をお見せできそうだ。サマーマッチには出場しない。

―アメリカでの個人転地トレーニングで感じたことは。

代表を務めながら、このように長期間、体作りをしたことがない。試合をして、それに対するトレーニングとウェイトをした。オフシーズンの練習は久しぶりだ。やってみたんだけど、コンディションが良くなるのをたくさん感じたし、組まれたプログラムを消化できてとても良かった。アメリカでの転地トレーニングは個人的によく行ってきたと思う。

―現在の女子代表チームを見た感じは。

長い間代表チームで生活をしてきたし、大会に出場するのが大変なことを知っている。苦労しただろうなと思いながら応援した。(VNLで)惜しくも勝利できず大会を終えたが、ますます良い姿を見せたのはポジティブだ。だんだん良くなると思う。よく見ていただきたい。

―女子代表が補完すべき点は?

世界のバレーボールの潮流は、スピードのあるバレーボールを追求しているということだ。ブラジル、アメリカなどもそうしているし、“本当に速いな”と感じられる。これから韓国バレーが進むべき方向、世界で競うためにはスピードのあるバレーボールが必要だ。セザール(代表)監督もそう思って準備しているが…。長い時間が必要だ。

―(VNLで)アジアのチームは善戦していたが。

タイ、日本、中国の試合を見た。確かにチームの色や国のバレーボールスタイルがはっきりと感じられた。まだ私たちがついて行くには、かなり足りないように見えた。そう見える理由も、その国が私たちと相反する良い姿を見せため、より華やかに見えた。しかし私たちが進むべき方向、練習を通じて良くならなければならない部分が見えた。そのようなことをよく補完して世界選手権大会に向けて準備すれば、より良い姿をお見せできると思う。ジョンア選手とも連絡した。主将として、どのようにすべきかを助言した。

―セザール監督が大会前、キム・ヨンギョンと代表に関して着実に連絡を取っていると話していたが。

監督とは縁があるから、今も連絡している。試合前と後に連絡を取り合ったが、私にどうすれば韓国バレーボールがもっと良くなると思うかと助言を求められた。バレーボールに関する話をたくさんした。

―個人のYouTubeチャンネルで海外進出を勧めていたが、後輩たちに必要なものとは。

FA資格を得るためには5シーズンを過ごさなければならない。その時になると選手たちの年俸が上がるものだが、ほかの国ではまだ新人に過ぎない。制度的な難しさはあるが、若手選手育成のためには海外進出が(簡単に)できるようにしなければならない。私はそのようにやってきた。

タイ(代表)は海外に進出した選手で構成されている。海外に出て、先進的なバレーボールを見て経験すれば、自国に戻った時に強いチームになれる。現在のタイが良い例だ。選手たちも海外に進出して、先進したバレーボールを経験してほしい。

◇キム・ヨンギョン プロフィール

1988年2月26日生まれ。韓国・京畿道出身。身長192cm。小学4年生からバレーを始め、2005年に新人ドラフト1位で韓国Vリーグの興国生命ピンクスパイダーズに加入。その後、JTマーヴェラス(日本、2009年~2011年)、フェネルバフチェ(トルコ、2011年~2017年)、上海ブライトユーベスト(中国、2017年~2018年)、エジザージュバシュ(トルコ、2018年~2020年)と海外を転々とし、2020-2021シーズンは11年ぶりに復帰した興国生命で活躍、退団後は上海ブライトユーベストでプレーした。東京五輪でキャプテンとして女子バレー韓国代表をベスト4に導いた後、2021年8月12日に代表引退を発表。2019年8月からは『シッパンオンニ(食パンお姉さん)』という名前でYouTubeチャンネルを運営している。

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