韓国Kリーグ1(1部)の水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスは7月6日、Kリーグ2(2部)の釜山(プサン)アイパークからFW安柄俊(アン・ビョンジュン、32)を獲得したことを発表した。
契約期間は1年6カ月+オプションで、背番号は「22」を着用。水原三星のチーム練習には5日から合流している。
1990年5月22日生まれの安柄俊は、北朝鮮代表経験もある東京都出身の在日コリアン。東京朝鮮高校、中央大学を経て2013年に川崎フロンターレでプロデビューし、以降、Jリーグではジェフユナイテッド市原・千葉、ツエーゲン金沢、ロアッソ熊本に在籍した。Jリーグでの通算記録はJ1通算7試合1ゴール、J2通算94試合19ゴール。
2019年からはKリーグ2(当時)の水原FCに完全移籍すると、翌2020年にはリーグ戦21ゴール4アシストの活躍でチームを1部昇格に導いた。それとともに、自身はKリーグ2得点王及びベストイレブン、シーズンMVPの“個人3冠”を達成。さらには、韓国サッカー協会(KFA)が選ぶ「今年の最優秀選手賞」でも、韓国代表FWソン・フンミン(29、トッテナム)、MFソン・ジュンホ(30、山東泰山)に次ぐ3番目の票数を得た。
2021年には、開幕前にKリーグ1の江原(カンウォン)FC移籍が一度は確定しながら、過去に手術歴のある膝がメディカルチェックで問題視されたことで、一転して交渉が破断に。その後、前年度1部最下位で2部に降格した釜山アイパークに加入した。
同年シーズン、釜山は10チーム中5位で昇格に失敗したものの、安柄俊は34試合23ゴール4アシストと圧巻の活躍を披露。Kリーグ2史上初となる得点王、ベストイレブン、シーズンMVPの2年連続“個人3冠”を成し遂げた。特に、得点ランキングでは14ゴールで2位の選手と9点差も離していた。
今シーズンは釜山が11チーム中10位と極度の不振に陥り、自身も14試合4ゴールと苦戦が続いていた安柄俊。そんななか、今回の水原三星移籍で、韓国生活4年目にして初のKリーグ1の舞台に挑戦することになった。Kリーグ2での通算成績は91試合56ゴール8アシスト。
最近では名古屋グランパスから元日本代表MF齋藤学(32)を獲得していた水原三星。チームには元清水エスパルスのDFイ・キジェ(30)のほか、元ヴァンフォーレ甲府、サガン鳥栖、FC岐阜のMFチェ・ソングン(30)、元サンフレッチェ広島、栃木SC、V・ファーレン長崎、ファジアーノ岡山のDFパク・ヒョンジン(32)が所属するほか、コーチ陣にも元ヴィッセル神戸、横浜FC、ザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)のチェ・ソンヨン、元FC東京のオ・ジャンウンなど、Jリーグに縁のある人物が多い。
また、水原三星でプレーする在日コリアン選手としては、2008~2009年に在籍した安英学(アン・ヨンハ)氏、2013~2015年に在籍した鄭大世(チョン・テセ/FC町田ゼルビア)に次いで、今回の安柄俊が3人目となる。
そんな安柄俊について、水原三星は「右足、左足、さらにはヘディングでの得点能力を兼ね備え、スピードやプレス能力、1対1の決定力など、すべての面がハイレベルな“6角形ストライカー”だ。Kリーグでその実力が証明された安柄俊がチームに加わることで、攻撃陣がさらに強化されるものと期待している」と伝えた。
また、安柄俊は「韓国サッカー界の歴史でも特に有名なビッグクラブの一員となれて光栄だ」とし、「一日も早くチームに適応して、スタジアムで良いパフォーマンスを見せられるよう努力したい」と意気込みを述べた。
なお、水原三星は本日(7月6日)、ホームの水原ワールドカップ競技場で行われるKリーグ1第20節で大邱(テグ)FCと対戦する予定だ。
(構成=姜 亨起)
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