世界最高峰のプレーに加えてマナーまで。セレソンの魅力に6万人超の観衆は熱狂した。
6月2日、ソウルワールドカップ杯競技場では韓国代表とブラジル代表の国際親善試合が行われた。試合はネイマールのPK2ゴールなどでブラジルが5-1の大勝を収めている。
FIFAランク1位のブラジルはレベルが違った。ネイマール(PSG)を中心に、個人戦術、チーム戦術ともに隙がなかった。
加えて大敗した韓国代表選手へのリスペクトも見せ、スタジアムを埋め尽くした6万人超の観衆に応えるなど、“格の違い”を見せつけた。
今回のブラジル戦は、ワールドカップ最終予選で安定した試合を見せていた韓国にとって、現在の立ち位置を確認する、最適のスパーリングパートナーだったと言える。
ブラジルは試合の約1週間前に韓国入り。ネイマールをはじめ、マルキーニョス(PSG)、チアゴ・シウバ(チェルシー)、フレッジ(マンチェスター・ユナイテッド)、フィリペ・コウチーニョ(アストンビラ)など、欧州トップリーグで活躍する主力が勢揃いしたことで話題を集めた。
通常、親善試合の遠征は2、3日前に移動し、コンディション不良のまま臨むことが多いが、今回のブラジル代表は欧州でプレーする選手たちが、シーズン直後、すぐさま韓国行きの飛行機に乗り、早めの時差適応をするなど、入念にコンディションを調整。
韓国入り直後は遊園地やクラブなどでストレスを解消し、サッカーファンとコミュニケーションを取っている姿が印象的だった。試合が近づくにつれ、慎重に戦術練習をしながらコンディションを上げてきた。
そして試合当日、世界最高峰のプレーで圧巻のゴールショーを展開。特にネイマールは序盤から韓国の守備ブロックを崩すポジション取りと完璧なタイミングでのパスを、まざまざと見せつけただけでなく、余裕たっぷりのPK2本で勝利の立役者となった。
ブラジルは3-1でリードしていた後半終盤も全力でプレーした。ネイマールは78分でベンチへと下がったが、ピッチ上の全選手が絶え間ないプレスと速いテンポでのシュートで韓国を完全攻略していた。
ネイマールが下がったあとも、後半35分にコウチーニョ、アディショナルタイムにガブリエウ・ジェズ(マンチェスター・シティ)がダメ押しとなる追加点を決めるなど、層の厚さも見せつけ、試合終了のホイッスルが鳴るまで、ワールドカップ本大会のように全力プレーを見せてくれた。
また試合後には、上品なマナーも披露した。すぐさまスタジアムを出ず、全選手がグラウンドの真ん中で6万人超の韓国ファンに向かって拍手で健闘を讃えていた。
ネイマールはソン・フンミン(トッテナム)と熱い抱擁を交わし、ロッカールームでは笑顔でユニフォームを交換するなど、ピッチ外でもサッカーファンを楽しませてくれた。なぜセレソンが世界最高と呼ばれるのか、ピッチ内外で感じられる時間だった。
■【写真】ネイマールとソン・フンミン、試合後に笑顔でユニ交換
前へ
次へ