韓米プロ野球の交流戦を実現することはできるのだろうか。
ポジティブなシグナルが行き交ったことには希望を持てるが、交流戦に必要な莫大資金をどのように充当するかという課題が残っている。とはいえ、第一歩を踏み出したという事実が重要だ。
韓国野球委員会(KBO)のホ・グヨン総裁が、米メジャーリーグ(MLB)機構シニア・バイスプレジデントのジム・スモール氏に「韓米交流戦」を提案した。
韓国プロ野球KBOリーグ開幕戦をアメリカ現地で開催したり、MLBオープン戦に韓国球団が参加したりするといった内容だ。アイデアレベルの意見交換とみられるものの、決して実現不可能ではないという点で、MLB側の反応に注目が集まる。
スモール氏は5月18日にKBOを訪問した。MLB機構は「野球の世界化」という名目で、全世界にMLBをプロモーションする作業に集中している。
9月にソウルで開催する「ホームランダービー X」も、MLBをPRするためのものであり、ロンドンやメキシコシティなどと併せてワールドツアーの形で行われる。
MLBが主催する幼少年の野球大会も今年から再開する計画であり、直接・間接投資を通じて、全世界での野球普及と活性化に努めているというイメージを定着させるため、努力を続けている。
MLBは今季終了後、アジアツアーやオールスターゲーム開催などの交流戦を構想している。大谷翔平(27、ロサンゼルス・エンゼルス)やマイク・トラウト(30、ロサンゼルス・エンゼルス)、アーロン・ジャッジ(30、ニューヨーク・ヤンキース)、クレイトン・カーショウ(34、ロサンゼルス・ドジャース)など、MLBオールスターが構成されるかどうかは未知数だ。
ただ、リュ・ヒョンジンを筆頭にチェ・ジマンやキム・ハソンなど、韓国人メジャーリーガーが所属球団のユニホームを着て韓国プロ野球のオールスターと対決する場面は、想像しただけでも興奮せざるを得ない。
ホ・グヨン総裁とスモール氏の会合は、これらの可能性を打診するための席だった。
今後、韓米交流戦が活性化していけば、ホーム&アウェーでの大会開催の可能性も考えられる。
コロナパンデミック(世界的な大流行)がエンデミック(一定期間の流行)に下方修正されるなか、固く閉ざされていた国境も開かれ、ほとんどの球団が来季の春季キャンプをアメリカで実施しようとしている。
フロリダやアリゾナだけではなく、カリフォルニアやハワイなどをキャンプ候補地に選定し、施設などを調査している。
ただ、これまではアメリカで春季キャンプを行っても、実戦点検のために日本に移動しなければならないという負担があった。
そこで、ホ・グヨン総裁の提案のようにMLBオープン戦に韓国プロ野球の球団が参加することができれば、実益と興行の二兎を得ることができる。
アメリカ現地で韓国プロ野球の球団に対する関心が増加すれば、韓国プロ野球の開幕戦をアメリカで開催することだって夢ではない。
そうなれば、韓国人の多いテキサスやニューヨーク、ロサンゼルス、サンディエゴなどが候補地になるだろう。韓国プロ野球のメインコンテンツの一つである応援文化を輸出するなど、付帯効果も享受できる。
まだまだ遠い未来の話であるとはいえ、想像しただけでも胸が躍ることは間違いない。
KBOとMLB機構はひとまず、来年3月に開催予定のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を準備する過程において、より緊密な協力を行うことで合意した。
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