清水エスパルスに新加入したFWオ・セフン(23)の加入会見が、3月23日にオンラインで行われた。会見には大熊清GM(ゼネラルマネジャー)とオ・セフンが出席した。
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冒頭、大熊清GMは「韓国の各世代別代表での経験、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)での経験だけでなく、我々が経験してきていない色々な環境を若くから経験している」と、オ・セフン獲得の経緯を説明。
「一番伝えたいのは、契約では時期的なことも含めて選手本人の意思が非常に大きかったということ。彼の意思、勇気、そして初の国外移籍をするという決断がなければ獲得は実現しなかった。この決断は必ず清水エスパルスに良い影響を与えてくれると思う」と、オ・セフン自身が並々ならぬ決意をもって清水加入を決めたことを伝えた。
22日にメディカルチェックを終え、23日からチーム練習に合流したオ・セフン。会見では初めに「こんにちは。はじめまして、私は韓国から来たオ・セフンです」と日本語で挨拶し、「チームに貢献できるようしっかり準備して、今シーズンの清水が良いチームになれるよう頑張りたいです」と意気込みを語った。
韓国Kリーグの名門・蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)のU-15ユース(現代中)、U-18ユース(現代高)出身のオ・セフンは、2018年に蔚山現代のトップチームでプロデビュー。
翌2019年には2部の牙山(アサン)ムグンファ(現・忠南牙山FC)にレンタル移籍で加入し、30試合7ゴール3アシストを記録。2020年から兵役のため尚州尚武(サンジュ・サンム/現・金泉尚武)に入隊すると、2021年夏の除隊後は蔚山現代に復帰し、同年シーズンは後半戦だけで19試合7ゴール1アシストの活躍を披露した。
世代別代表の経験も豊富であり、2015年のU-17W杯、2019年のU-20W杯、2020年のU-23アジア選手権といった各世代の国際大会に出場した実績もある。
こうした経歴を持つオ・セフンが、初めて日本でのプレーを意識したきっかけは高校時代にある。
去る2016年8月、広島で行われた「Balcom BMW CUP 平和祈念 広島国際ユースサッカー2016」にU-18韓国代表の一員として出場したオ・セフン。そこで、当時対戦した広島県高校選抜U-18やサンフレッチェ広島ユースなど、日本の選手のスキルに驚きを感じたという。
「日本のチームと対戦したときにテクニカルな部分を目の当たりにして、そういうものを見たときに自分が日本への憧れを感じ、そこで初めて日本に行きたいと思うようになりました。日本では自分のストロングポイントと違った細かい部分、戦術的な部分の精度をより上げられるのではないかと思いました」
また、2019年6月にポーランドで行われたU-20W杯では、決勝トーナメント1回戦でU-20日本代表と対戦。この試合では後半に決勝ゴールを決め、韓国の勝利に貢献したオ・セフンだが、そこでも「自分が前線から守備をしながらも、日本の選手全体のテクニカルな部分に驚かされた」という。
そして今回、「清水エスパルスというクラブが自分の獲得を一番に望んでくれた」ことで、念願のJリーグ進出を果たすことができた。蔚山現代では監督やチームメイトからの慰留もあったが、オ・セフンの意志は固かった。
そんなオ・セフンは、清水のファンやサポーターに向けて「個人のSNSで“清水のために頑張ってほしい”というような応援、激励のメッセージをたくさんいただきました」とコメント。「そういった声に応えたいですし、それ以上の結果で応えたいと思っているので、多くの応援をよろしくお願いします」と語った。
清水ではこれまで2002~2003年にアン・ジョンファン、2004~2007年にチョ・ジェジンといった韓国人ストライカーたちが活躍を披露してきた。それだけに、オ・セフンにも彼らのようにJリーグの舞台で躍動してもらいたいと期待するファンも多いだろう。
「(アン・ジョンファン先輩、チョ・ジェジン先輩が)偉大な選手だったということはサポーターの方々にとっても色あせない記憶だと思いますが…」と前置いたオ・セフンは、「これからの時代の韓国の選手は“オ・セフンだ”と思ってもらえるよう、活躍で認めてもらえるように頑張りたいです」と、清水の新たな韓国人ストライカーとして活躍する決意を力強く伝えていた。
(文=姜 亨起)
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