「NO戦争、ウクライナ!」
かつてセレッソ大阪、大分トリニータ、松本山雅FC、柏レイソルに在籍した元韓国代表MFキム・ボギョン(32、全北現代モータース)は、去る2月27日に行われたKリーグ1(1部)第2節の大邱(テグ)FCの得点直後、中継カメラに向かってこのように叫んだ。
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試合後、記者会見で真意を問われたキム・ボギョンは「メッセージを伝えたかった」とし、「はたして現代は戦争に合った時代なのか。ウクライナ関連のニュースを見て本当にもどかしい気持ちになった。僕がゴールを決めてできることは、ウクライナを応援するメッセージを伝えることだけだった」と、得点後の行動の背景を具体的に説明した。
最近のロシアによるウクライナ侵攻により、Kリーグのスタジアムでも戦争に反対するメッセージが各所で見られている。一部のサポーターはロシアへの抗議、ウクライナへのエールの意味で、反戦を訴える横断幕を掲げたりもした。
一部では「キム・ボギョンの発言や戦争反対の横断幕は“政治的メッセージ”と捉えられないか」という声も出た。ただ、Kリーグを管轄する韓国プロサッカー連盟はこれらの事案を政治的な内容に分類しなかった。
韓国プロサッカー連盟のイ・ジョングォン広報チーム長は、「一部チームから試合監督官に“戦争関連の横断幕がかかりそうだ”という問い合わせが来た際、連盟は試合監督官に“政治的意見の表現とみられる横断幕は統制する必要がある”という原則を伝えたことがある」としつつも、「しかし、サポーターの横断幕やキム・ボギョンの発言などは、いずれも問題にならないと判断している」と明らかにした。
サッカー界におけるスタジアム内での政治的メッセージの発言は、国際サッカー連盟(FIFA)も厳格に禁止しているほども事案だ。ただ、今回のロシアによるウクライナ侵攻は、一方的に戦争を起こした事件であるため、政治的に解釈が分かれる余地がない。
人権や平和などの面で、ロシアが一方的に崩壊させたことから、国内はもちろん、国際的にも大きな批判と制裁を受けている。
保守的なFIFAがロシアの国際大会出場を禁止し、お金に敏感な欧州サッカー連盟(UEFA)までも、最大のスポンサーの一つであるロシア国営の天然ガス企業ガスプロムとのスポンサー契約を解除した。
ガスプロムはUEFA最大の顧客の一つであり、この10年間を公式スポンサーとしてともにした。毎シーズンで3350万ポンド(日本円=約51億3600万円)の後援を行っていたほどだ。ただ、FIFAとUEFAの両組織は今回、国際社会のロシア制裁に加わった。
欧州主要リーグのチームも、積極的に反戦のメッセージを伝えている。選手たちが横断幕を持って写真を撮影したり、電光掲示板に関連の内容を表示したりするチームもある。
それほど意見が分かれることのない内容なので、Kリーグとしても問題にする理由はないというのが連盟の公式な立場だ。
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