国軍体育部隊傘下のサッカーチームである金泉尚武(キムチョン・サンム)が、Kリーグ2(2部)優勝を早期に確定し、1年でKリーグ1(1部)復帰を果たした。
キム・テワン監督率いる金泉尚武は10月17日、アウェーの富川(プチョン)総合運動場で行われたKリーグ2第34節の富川FC 1995戦で1-0と勝利した。
これで34試合で勝ち点67を確保した金泉尚武は、残り2試合の結果と関係なくKリーグ2優勝を確定し、1部自動昇格を決めた。
去る7月10日の第20節FC安養(アニャン)戦で2-4と敗れたのを最後に14試合無敗(10勝4分)の金泉尚武は、34試合で56得点31失点と完璧な攻守のバランスを誇示した。
キム監督はこの日、2022年カタールW杯アジア最終予選を戦う韓国代表メンバーに選ばれていたGKク・ソンユン(27)、DFチョン・スンヒョン(27)、DFパク・ジス(27)、FWチョ・ギュソン(23)の4人を全員先発起用した。
FWパク・ドンジン(27)、DFウ・ジュソン(28)、FWチョン・ジェヒ(27)など来月に除隊を控えた選手が戦力から抜けたのは変数だった。例外もあったなか、キム監督は同じく来月に除隊するFWオ・ヒョンギュ(20)を先発に含めるなど徹底した姿勢を示した。
キム監督は「優勝のために走ってきた。1%でも可能性がプラスされるのであればやる」と、早期優勝への意欲を示していた。
キム監督の意志と同様に、金泉尚武もキックオフから積極的な攻撃を展開して富川を苦しめた。しかし、相手GKイ・ジュヒョン(22)の好セーブに阻まれて得点を生み出せずにいた。
それでも、金泉尚武は一瞬のチャンスを見逃さなかった。後半12分、右サイドからMFミョン・ジュンジェ(27)が上げたクロスをチョ・ギュソンが押し込み、ついに富川のゴールを破ることに成功。その後、富川の追撃を許さず1点差の勝利を果たした。
昨シーズンまで1部を戦っていた金泉尚武だが、ホームタウンを尚州(サンジュ)から金泉に移転したことで、韓国プロサッカー連盟の規定によって2部からの再出発となった。昨季は過去最高成績の1部4位という結果を残しながら、2部への“強制降格”を余儀なくされた。
2部で迎えた今シーズンは序盤こそ浮き沈みを経験したが、すぐに調子を取り戻して先頭集団に合流。終盤戦は無類の強さでほかのチームをまったく寄せ付けなかった。
金泉尚武の底力の土台にあるのが分厚いスカッドだ。韓国代表クラスの選手はもちろん、10月末のU-23アジアカップ予選を戦うU-23韓国代表にオ・ヒョンギュ、DFキム・ジュソン(20)、MFクォン・ヒョクキュ(20)、MFソ・ジンス(21)らを輩出するなど、1部レベルの選手層を保有している。
元Jリーガーも貫禄の活躍を見せた。
元北海道コンサドーレ札幌のク・ソンユンは正守護神としてチームを後方から支えた。元サガン鳥栖、鹿島アントラーズのチョン・スンヒョンは時にキャプテンマークを巻き、DFながら27試合4ゴールと攻撃面でも存在感を発揮。元FC東京、アビスパ福岡のMFユ・インス(26)も不動の左サイドバックとしてチームに安定感をもたらした。
なお、2021年3月8日に入隊した3人は、2022年9月7日の除隊を予定している。
1部でも十分通用するレベルにある金泉尚武が、今シーズンは「Kリーグ2の生態系の破壊種」と呼ばれていた理由はここにある。1年で昇格を成し遂げた金泉尚武が、来季の1部でどんな姿を見せてくれるかに今から注目したい。
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