リオネル・メッシ(34)のバルセロナ“衝撃”退団、マンチェスター・シティがジャック・グリーリッシュ(25)を1億ポンド(約152億円)で獲得など、今季も大いに盛り上がったヨーロッパの移籍市場だが、残すところ2週間となった。
それに伴い、“韓国の至宝”イ・ガンイン(20、バレンシア)の選択肢も徐々に狭まっている。
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東京五輪を終え、韓国で短いオフを取っていたイ・ガンインは8月16日、韓国からスペインのバレンシアへと向かい、17日(現地時間)にチーム練習へと合流した。8月も半ばを過ぎただけに、イ・ガンインにも焦りが見え始めているようだ。可能な限り人族に移籍先を見つけ、合流してこそ、新シーズンに向けてスムーズに準備ができる。
現在所属しているスペイン・ラ・リーガの移籍市場は9月2日までだ。イングランド・プレミアリーグ、イタリア・セリエAのチームに移籍する場合の期限は8月31日23時、ドイツ・ブンデスリーガは同日18時まで登録が可能だ。
スペインの現地報道によると、イ・ガンインへの公式オファーは、どうやら多くないという。 スペイン紙『マルカ』は17日、「考慮すべきオファーはない」とし、まだバレンシアが応じるほどの提案は届いていないと報じていた。
バレンシアは現在、イ・ガンインの移籍金を1000万ユーロ(約13億円)ほどに設定している。この額は、2001年生まれのイ・ガンインの将来性を考慮し、可能な限りの移籍金をもらうという想定だ。
しかし新型コロナ禍によって、各クラブが財政的に厳しい状況にある中、ヨーロッパで確実に計算できるとは言えない20歳の若手に、これほどの巨額を投資するチームは多くない。
一部では残留の可能性についても取り沙汰されているが、バレンシア側は今回がイ・ガンインの売却益を確保できる最後のチャンスだ。2022年夏には契約が満了するため、年俸を下げてでも今回の移籍市場でイ・ガンインを移籍させなければならないため、最終的には、どのような形であれ移籍が実現する可能性が高いと見られている。
現在、現地メディアが有力とみているのはグラナダCFで、イ・ガンインの移籍先として度々取り上げられている。
グラナダのロベルト・モレノ監督は、攻撃をリードする司令塔としてイ・ガンイン獲得を考慮しているという。8月11日には、カメルーン代表MFヤン・エテキ(23)をバレンシアに放出することを検討しているという報道が出た。市場価格ではイ・ガンインの方が高いため、エテキを売却した移籍金の一部を支給する案も出ているという。また17日にも、グラナダがイ・ガンイン獲得に向けて、多角的に交渉しているというニュースが出たほどだ。
だが仮にバレンシアがイ・ガンインの移籍料を引き下げることとなれば、グラナダ以外のチームも手を挙げる可能性は高い。中でもプレミアリーグのウォルバー・ハンプトンや、セリエAのサンプドリアなどが絶えず関心を示してきたチームが有力視されている。
移籍市場閉幕まで残り2週間、“韓国の至宝”イ・ガンイン安住の地ははたして見つかるのか。引き続き動向を注視したい。
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