“韓国射撃の皇帝”と呼ばれるチン・ジョンオ(41)が、東京五輪でまさかの“ノーメダル”に終わった。
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チン・ジョンオは7月27日、陸上自衛隊朝霞訓練場で行われた東京五輪の射撃混合エアピストル1次予選に、チュ・ガウン(20)とペアを組んで出場。
合計575点(チュ・ガウン286点、チン・ジョンオ289点)の全体9位とし、上位8組による2次予選への進出を逃した。
1次予選では30分間に男女各30発ずつを撃ち、合算点数の上位8チームが2次予選に進む。1発当たりの最高得点は10点で、総合満点は600点だ。
チン・ジョンオとチュ・ガウンは8位のイランのペアと同じ575点を記録したものの、10点獲得回数(18対13)によって9位となった。
同種目に出場したキム・モセ(22)とキム・ボミ(22)のペアも、合計573点(キム・ボミ288点、キム・モセ285点)の全体11位とし、1次予選脱落となった。
チン・ジョンオは去る24日の男子10mエアピストルで決勝進出に失敗したのに続き、今回の混合でも予選突破できず、東京五輪を“ノーメダル”で終えることになった。
2004年アテネ五輪から2016年リオ五輪までの4大会で金メダル4枚、銀メダル2枚を獲得していたチン・ジョンオは、新記録達成のチャンスを次回大会に見送った。彼は今大会でメダルを獲得できれば、元アーチェリー選手のキム・スニョン(金4枚、銀1枚、銅1枚)を越えて韓国選手のオリンピックメダル最多獲得記録を塗り替えられるという状況だった。
チン・ジョンオは混合エアピストル予選終了後、共同取材エリアで取材陣と会い、ため息をつきながら「何と言ったらいいかわからない」と残念がり、「物足りなかったことを認める。足りないものを補うために夜間練習もしながら準備してきたが、”寄る年波には勝てぬ”という考えが浮かんだ」と伝えた。
また、「確実に以前よりも集中力が低下したことを感じられる」としつつも、「ただ、(周りからは)引退のことを何度も言及されるが、正直引退という単語を思い浮かべたくない」と断言。
「会社を辞めろというのと同じことではないか。何度も“引退しろ”という言葉を聞くが、正々堂々と選抜戦を経て(オリンピックに)出場した。大目に見てほしい」と強調した。
開幕前の6月、鎭川(チンチョン)国家代表選手村で「2024年パリ五輪の代表選抜戦まで挑戦したい」と明かしていたチン・ジョンオ。周囲は今回の東京五輪が“最後”だと主張するが、本人はトップクラスのパフォーマンスを維持できるまで銃を持ち続ける意志を持っている。
この日、チン・ジョンオは悔しい気持ちのなかでも、混合エアピストルにペアで出場した約20歳年下の後輩チュ・ガウンを慰めた。
チュ・ガウンが「虚しい。“自分ができなかったから…”という思いばかり浮かぶ」と大先輩に謝ると、チン・ジョンオは「“チン・ジョンオ”という名前のせいで注目されてプレッシャーを感じただろう」と語った。
また、「(私ではない)ほかの選手であれば楽にできたと思う。ガウンはまだ若く、試合をする日も多い。次のオリンピックでは世界トップクラスの選手と競えるはずだ」と褒めたたえた。
一方、射撃韓国代表は大会3日目の本日もメダル獲得を逃した。
大会初日の24日には女子10mエアライフルでクォン・ウンジ(18)とパク・ヒムン(20)が決勝に進んだが、クォン・ウンジが7位、パク・ヒムンが8位に終わりメダル獲得に失敗。同日、男子10mエアピストルに出場したキム・モセは予選を6位で突破するも、決勝では8位に終わった。
また、25日の女子10mエアピストルに出場したチュ・ガウンは16位、キム・ボミは24位にとどまり、男子10mエアライフルに出場したナム・テユン(23)とキム・サンド(34)も予選で脱落した。
そして、25日と26日の2日間にかけて行われた男子スキート予選でも、イ・ジョンジュン(31)が最終13位に終わり、上位6人による決勝へのチケットを逃した。
韓国勢は今後、27日の混合エアライフル予選、29日の女子25mピストル、31日の女子ライフル3姿勢、8月1日の男子ラピッドファイアピストル、2日の男子ライフル3姿勢に選手が出場予定だ。
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