「“Stay Strong, I Love You”と…」
サッカー韓国代表キャプテンのソン・フンミン(28、トッテナム)が、得点後に“元同僚”のために披露したゴールパフォーマンスについて言及した。
ソン・フンミンは6月13日、高陽(コヤン)総合運動場で行われた2022年カタールW杯アジア2次予選グループH最終戦のレバノン戦に先発フル出場し、チームを2-1の逆転勝利に導いた。
これで5勝1分(勝ち点16、得失点差+21)を記録した韓国はグループHを首位突破し、来る9月から行われる最終予選に駒を進めた。
簡単ではない試合だった。5日のトルクメニスタン戦、9日のスリランカ戦でいずれも5ゴールの大勝を収めていた韓国は、レバノンの密集した守備に苦戦を強いられた。そして、前半12分には守備陣のミスからレバノンに先制ゴールも奪われた。
ただ、後半6分にコーナーキックからソン・フンミンが上げたボールオウンゴールにつながり、同点に追いつくと、同21分にはソン・フンミンがPKを成功させ、逆転弾を生み出した。ソン・フンミンが国際Aマッチでゴールを決めたのは、去る2019年10月10日にホームで行われたW杯アジア2次予選のスリランカ戦以来、実に約20カ月ぶりのことだ。
何より印象的だったのはゴールパフォーマンスだ。ソン・フンミンは得点後すぐに中継カメラに駆け付け、指で数字の「23」を表現した。そして、カメラに顔を近づけて何かを話していた。
当時はソン・フンミンが正確に何を話していたのか確認できなかったが、デンマーク代表クリスティアン・エリクセン(29、インテル)のためのセレモニーであることが推測できた。エリクセンは同日未明、EURO2020のフィンランド戦で前半42分頃に突如ピッチに倒れ、心肺蘇生も行われる危険な状態に陥ったが、幸いにも意識を取り戻し病院に移送されていた。
ソン・フンミンとエリクセンは、過去にトッテナムでともにプレーした間柄だ。ソン・フンミンは「同じサッカー人として、かつて一緒にプレーしたチームメイトがあのようなことになってしまいとても心配だった」とし、「(ゴールパフォーマンスでは)“Stay Strong, I Love You”と言った」と伝えた。
以下、ソン・フンミンとの一問一答。
◇
―試合の感想は。
自分たちのミスで先制ゴールを許し、難しく試合を進めてしまった。明らかに誤った部分だ。それでも、よく勝ち抜いて逆転まで成功したことは肯定的だ。
―20カ月ぶりに国際Aマッチで得点したが。
言葉で言うと20カ月だが、(新型コロナウイルス感染症の影響で)実際に代表に招集されたのは8カ月ぶりのことだ。自分のゴールよりもチームの逆転勝利がもっと嬉しい。
―得点後、カメラに向かって何かを話していた。昔の同僚であるエリクセンのためのように見えたが。
「Stay Strong, I Love You」と伝えた。(エリクセンと)連絡を取ったが、気が気ではなかった。当時は寝ていたので実際の試合は見られず、起きた後に知らせを聞いた。同じサッカー人として、かつて一緒にプレーしたチームメイトがあのようなことになってしまいとても心配だった。本当に仲良くしていた仲間だったので、試合中もずっと気にしていた。
―ソン・ミンギュ(21、浦項スティーラース)やチョン・サンビン(19、水原三星ブルーウィングス)など、若い選手を持続的に励ましていたが。
ミンギュは今日の試合でとても良かった。厳しい状況でも自信のあるプレーを見せていた。残念ながらデビューゴールに見えた得点はオウンゴールになってしまった。ただ、サンビンも含め若い選手たちはぎこちなかったかもしれないが、今回は皆が良くやっていた。既存の選手も彼らに近づいて助けてくれた。最終予選でも良い役割を果たしてくれるはずだ。
―最終予選に向けて補完すべきことを1つ挙げるとすれば。
すべての部分で発展しなければならない。最終予選ではより強い相手と対戦する。試合に臨む姿勢から多くのことを準備しなければならない。僕ももう(W杯)最終予選は3回目だ。どれほど辛く長い旅程であるかはわかるので、選手たちにもよく話してあげようと思う。
―W杯アジア2次予選も終わり、休暇を得られる。何をしたいか。
心置きなく寝て、美味しい食べ物を食べたい。本当に忙しいシーズンだった。ただ何も考えずベッドに横になっているだけで癒されるような気がする。
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