韓国代表メンバー28人中“サイドバック”が6人も選ばれたワケ…ベント監督が解決したい“人材不足”

6月の2022年カタールW杯アジア2次予選を控え、5月24日に招集メンバー28人を発表した韓国代表。チームを率いるパウロ・ベント監督はサイドバックだけで6人もの選手を選んだ。それだけ悩みの深いポジションという意味だ。

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今回の韓国代表に招集されたサイドバックは、右サイドでキム・テファン(31、蔚山現代)、イ・ヨン(34、全北現代モータース)、キム・ムンファン(25、ロサンゼルスFC)の3人。左サイドでホン・チョル(30、蔚山現代)、イ・キジェ(29、水原三星ブルーウィングス)、カン・サンウ(28、浦項スティーラース)の3人だった。

(写真提供=韓国サッカー協会)パウロ・ベント監督

一般的に、1つのポジションにつき2倍の人数の選手を選ぶものだ。通常なら左右に各2人ずつ選ぶのが普通だろう。しかし、今回は実に3倍の人数の選手を選出した。

現代サッカーにおいてサイドバックの存在感は日に日に高まっている。特に、ベント監督は後方からパスをつなぐビルドアップを用いるだけに、よりサイドバックの技量が求められる。試合を展開する起点ともいえるサイドバックの能力が劣れば、そのチームは攻撃も守備も上手く行かなくなる。

“日韓戦”でもサイドバックの空白を露呈

ただ、最近の韓国代表はサイドバックに弱点を露呈している。左サイドはキム・ジンス(28、アル・ナスル)の負傷による長期離脱、右サイドもイ・ヨンとキム・ムンファンの負傷があり、たちまち空白が生じた。

サイドバックはほかのポジションと比べて競争体制ができていないポジションと言える。先日の“日韓戦”ではホン・チョルとキム・テファンが両サイドバックを務めたが、満足できるパフォーマンスではなかった。これも、ベント監督が6人のサイドバックを招集した背景だ。

代表歴のある選手は今回、ベント監督から再びチェックを受けることになる。特に、久しぶりの合流となったイ・ヨンとキム・ムンファンのコンディションがカギだ。

イ・ヨンは今シーズンのKリーグで着実に試合に出場している。一方のキム・ムンファンも膝の負傷があったが、いまは回復して3試合連続で途中出場するなど、調子を引き上げている。

左サイドはニューフェイスのアピールが関心を引く。特に、カン・サンウとイ・キジェは今シーズンのKリーグで最もホットな選手だ。

カン・サンウは右利きながら左サイドバックを務め、試合を展開する能力に長けている。フォワードとの連携にも優れるため、ベント監督が追及するサッカーともフィットするはずだ。

一方のイ・キジェは、利き足の左足によるキックが一級品だ。クロスだけでなくフリーキックやシュートも驚異的で、ここまでサイドバックながら4ゴール3アシストを記録。フォワードにも負けない活躍ぶりを見せている。

今回のW杯2次予選はすべて韓国国内で行われる。対戦国の戦力も落ちるため、新たな組み合わせをテストできる機会とも言える。

最終予選を戦い抜くには確実に計算できるサイドバックを確保することが重要なだけに、ベント監督もサイドバックの起用に最も気を使うはずだ。

ベント監督自身、「チェックが必要なポジションはサイドバックだ。普段は4人招集するところ、6人を選んだ」とし、「右サイドの3人は普段からリストに入っている選手だ。左サイドも1人は慣れた選手だが、2人はなじみの薄い選手だ。さまざまな状況に備えなければならない」と伝えている。

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