2032年“ソウル・平壌オリンピック”の実現は厳しいが…韓国が南北共同開催をあきらめない理由

2021年03月01日 スポーツ一般

2032年の“ソウル・平壌(ピョンヤン)オリンピック”の夢は、完全に消え去ったのだろうか。

【注目】韓国の“夢”がついえた?2032年オリンピック候補地決定

国際オリンピック委員会(IOC)は2月24日、オーストラリアのブリスベンを2032年夏季オリンピックの候補地に選定した。これにより韓国政府が推進していた2032年の南北オリンピック共同開催は、事実上不可能との見方が強くなった。

ただ2032年のオリンピック開催都市は、「まだ最終決定していない」と見るのが正確だ。

ユン・ガンロ国際スポーツ外交研究院長は3月1日、2032年のソウル・平壌オリンピック誘致の現状と対策について「まだ希望がある」とした。ユン院長は「誘致規定上、優先都市(preferred city)あるいはターゲット対話都市(Targeted Dialogue Stage)に分類され、今後1カ所、または2~3カ所(one or more)が選定される可能性がある」と主張した。

IOCのバッハ委員長は当時の記者会見で、「今の段階で優先候補都市はオーストラリアのブリスベン」と説明した。ユン・ガンロ院長は「これはIOCが最終的に下した結論ではない」と見る。

ユン・ガンロ院長は「私たちがじっとせず、VIP親書の発送、バッハ委員長との面談の推進など、努力を継続的にしなければならない」とし、「北朝鮮との対話を通じて優先的な誘致を2032年とし、私たちが積極的に誘致に乗り出さなければならない」と強調した。

ソウル市長不在という問題点

問題は、韓国政府にオリンピックの専門家がいないということだ。

2018年、平昌五輪の閉会式

そもそもオリンピック誘致に積極的に乗り出さなければならソウル市長が、不在状態だ。誘致を目指す都市の首長が誰よりも先頭に立つべきだが、2020年7月9日にパク・ウォンスン前ソウル市長がこの世を去り、8カ月が経った現在も指揮者がいない。

ソウル市は昨年、2032年オリンピック誘致のための専門部署を設置したが、誘致委員会さえ構成されていない。オリンピックの誘致は、誘致都市の首長と誘致委員長が一緒になってIOCと会話や交渉を行うのが一般的だ。ところが韓国では大統領の宣言後、2年余りの間、誰も動かなかった。

IOCは最近、オリンピック開催都市の決定で以前とは異なった姿を見せている。

2018年の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックの開催地決定時は、2011年、つまり7年前の総会で最終決定を行った。しかし最近は一度に2大会の開催都市を決定するなど、例年より早く開催都市を決めている。2032年大会だから2025年に決定するという予想をしてはならない。

IOCは、未来誘致委員会で該当都市と長い調整を経て、執行委員会に優先交渉都市を推奨している。開催都市の負担を軽減するために努力する姿が見られる。

ブリスベンは、オリンピック施設の80%以上を既存の施設で代用するという点が高く評価された。過去、国際大会を複数回も誘致した経験も認められている。

ただ同じ部分で韓国のソウルは、さらに競争力がある。1988年ソウル五輪の施設がそのままあり、公共交通機関や国際大会の誘致実績も負けていないはずだ。

2031年の“ソウル・平壌オリンピック”の実現可能性は、まだゼロとは言い切れない。

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