スペインリーグ1部のバレンシアに所属するイ・ガンイン(19)が、今シーズンリーグ戦で初の不出場となったことに対して、スペイン現地でもさまざまな反応が出ている。契約延長に、少なからず影響を与える可能性もあるとも指摘されている。
イ・ガンインは10月18日に行われたビジャレアルとのリーグ戦で、今季初めて出番を与えられなかった。イ・ガンインはチームが1-2でリードされた状況でも、最後までハビ・グラシア監督のチョイスに入らなかった。
グラシア監督は90分を通してすべての交代カードを切りながらも、ついにイ・ガンインを選ばなかった。監督は試合後、「すべての選手がプレーすることはできない。他の選手たちが頑張ってくれるように信じて送り出した」と、イ・ガンインを起用しなかった理由を述べたが、結果的にバレンシアは逆転できず、1-2のスコアのまま試合は終了し、連敗することとなった。
試合後、スペイン現地の主要メディアは、試合に出られなかったイ・ガンインについてニュースを伝えた。記者会見ではイ・ガンインの不出場についての質問が多く飛び交い、『マルカ』や『デポルテ・バレンシアーノ』などのメディアは「イ・ガンインが契約延長について悩むだろう」と報じた。
グラシア監督のビジャレアル戦での采配が、イ・ガンインとの契約延長に悪影響を与えるという憶測が流れており、余波は大きなものとなっている。
実際にイ・ガンインはビジャレアル戦後、ベンチからすぐに立つことができず、一貫して暗い表情を浮かべた。チームメイトの労いにもどこかぎこちない様子で、しばらくベンチに座っていたイ・ガンインの姿は思い悩んでいるようにも見えた。
イ・ガンインは昨夏の移籍市場で、試合に常時出場できるクラブへの移籍を積極的に模索していた。バレンシアでは未来がないと判断し、ちょうどドイツやフランス、スペインの複数のチームも彼の獲得に興味を示していた。
バレンシアさえ許可すれば、レンタルという形でも他クラブへ移籍し、多くの試合に出場することで成長の糧とすることもできた。しかしバレンシアは出場時間とポジションの確約を提案し、残留を促した。バレンシアユースで育ったイ・ガンインは、最終的にチームへの愛情を簡単に捨てきれず残留を選択した。
シーズン序盤まで、イ・ガンインの選択は正しいものに見えた。イ・ガンインは開幕戦で2アシストを記録し、出だしから最高の活躍を見せた。先発、もしくは途中出場で出場したほかの試合でも、チームで最も正確で創造的なパスを駆使し、攻撃陣を牽引した。
しかし活躍とは反比例するかのように、出場時間はみるみるうちに減少していった。ほかの選手が出場し、チームが好調を維持していれば出場できないことにも説得力があるが、問題は状況がまったく正反対ということだ。
バレンシアは今季苦戦している。中盤ではパスがつながらず、2列目から試合を打破する選手がいないのだ。
現状、イ・ガンインがあえてバレンシアに残留する理由はない。まもなく20歳になる彼にとって最も必要なのは出場時間だ。いくらバレンシアが名門でイ・ガンインを育てたクラブといえど、今は残留への理由があまりに不足している。今冬の移籍市場でクラブを去ることが、彼にとって最上の解決策となるはずだ。
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