東アジアNo.1を決めるE-1選手権が開幕したが、早くも興行面に暗雲が垂れ込めている。
7月7日、韓国の龍仁(ヨンイン)ミルスタジアムでは韓国代表と中国代表によるE-1選手権・男子決勝大会の初戦が行われた。結果は韓国が3-0で快勝を収めた。
東アジアサッカー連盟(EAFF)主催で行われるE-1選手権は、アジアカップやワールドカップ予選といったアジアサッカー連盟(AFC)主催の公式大会と比べて注目度が低い大会だ。
国際サッカー連盟(FIFA)が定める国際Aマッチ期間外に開催されるため、欧州組の招集は事実上不可能。韓国ではソン・フンミン(トッテナム)やファン・ヒチャン(ウルヴァーハンプトン)、イ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)といった看板選手が招集を外れている。
韓国代表率いるホン・ミョンボ監督は今回、招集メンバー26人中23人をKリーグ所属選手、残り3人をJリーグ所属選手で構成した。森保一監督が指揮を執る日本代表も、26人全員が国内Jリーグ組で編成されている。こうした背景もあってか、普段の国際Aマッチと比べてファンの関心があまり向けられていない。
大会開幕戦となったこの日の韓国対中国も、来場者数はわずか4426人にとどまった。試合会場の龍仁ミルスタジアムは約3万5000人が収容可能だが、スタンドは各所で空席が目立ち、韓国代表公式サポーター「レッドデビルズ」の人数も他の試合と比べて明らかに少なかった。
そもそも、龍仁ミルスタジアムは以前から“アクセス問題”が指摘された会場だ。ソウルをはじめとする主要都市から離れた場所にあるうえ、駐車スペースも狭く、交通の利便性にも難がある。最寄りの地下鉄駅からも距離があり、徒歩15分を要するのも来場の妨げとなっている。
真夏の蒸し暑さも観客動員に影響しているものとみられる。韓国対中国の試合は20時キックオフだったにもかかわらず、体感温度は30度を超え、湿度も70%前後を維持した。座っているだけでも汗が噴き出すような蒸し暑い天気だった。この暑さは大会期間中、継続する見通しだ。
また、韓国対日本の最終戦を除けば“目玉カード”と呼べる試合も少ない。特に中国対香港といったカードでは、“日韓戦”よりもさらに観客が減る可能性が高い。
釜山(プサン)で開催した2019年大会以来、6年ぶりの韓国開催となるE-1選手権。ホン・ミョンボ監督率いる韓国代表の結果とは別に、興行面で明らかに厳しいスタートを切った。
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