タリバン隊員が韓国軍の戦闘服を着用も…軍服取締法があっても“流出者”が処罰されない理由

2021年08月18日 社会

最近、アフガニスタン政府を掌握したイスラム武装組織タリバンの隊員の一部が、韓国軍の旧型戦闘服を着用していることがわかり、騒動となっている。

イギリス『BBC』、ドイツ『デア・シュピーゲル』などの欧州メディアは最近、タリバンによって掌握されたアフガニスタンの状況を伝えた。その過程で、一部のタリバン隊員が韓国軍の戦闘服を着ていることが判明した。その戦闘服には、部隊マークや階級章、さらには名札までそのままに付いており、衝撃的だ。

タリバン隊員が韓国軍の戦闘服を着ているのは、韓国軍の戦闘服が違法に搬出されたからといえる。

これまで除隊者が捨てたり、売り払ったりした戦闘服が中古衣料回収業者などを通じて中古市場に流れ、暗黙のうちに取引されてきた。関係当局は、中古軍服類取引違法の可能性があると判断して取り締まり活動を繰り広げたが、防ぎ切ることができなかった。

タリバン隊員が着用した戦闘服は、“ポッタリ商人”(ポッタリ=風呂敷に商品を包んで様々な場所を行き来しながら売る商人)などを通じて、海外に搬出されたものと推定されている。

(出典=フランスメディア「ル・フィガロ」)

タリバンの事例を通じて確認された戦闘服の海外搬出は、厳然たる違法だ。現行の「軍服と軍用装具の取り締まりに関する法律(軍服取締法)」に違反した場合、1年以下の懲役または1000万ウォン(約100万円)以下の罰金となる。

ただし、今回タリバン隊員が着用した戦闘服は、1990~2014年に使用された別名“カエル軍服”で、これを流通させた者を捕まえても処罰することはできない。現行法令と判例で、韓国軍が“現在使用中の”軍服と軍用装具に限定しているためだ。

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