“K-家電”がアメリカで好評のワケ、コロナ禍も前年比90%アップで30億ウォン超の売り上げに

2021年07月17日 社会

韓国家電メーカー「クク電子」の米販売法人が業績を伸ばし、“K-家電”企業としてアメリカ市場での影響力を拡大している。

7月14日、クク電子の第1四半期事業報告書によると、米販売法人の売上高は前年同期比90%増の、30億4468万ウォン(約3億446万円)だったという。新型コロナの影響で“おうち時間”が増えたことで、家庭用生活家電の需要が急増したため、米販売法人を通じてキッチンおよび生活家電の供給と流通網を拡大した結果と分析されている。

また地元消費者のライフスタイルやニーズを反映した、オーダーメイド製品を地道に模索し続けたことも、売上げ増加やシェア拡大に影響を及ぼしたものと見られる。

コロナ禍が追い風に

キッチン家電の場合、アメリカ人の食文化を考慮して発売したホームベーカリーが、オンライン・オフライン流通市場でポジティブな反応を見せ、一躍人気製品の仲間入りをはたした。 クク電子は、ホームベーカリーの販売ピーク期である秋冬シーズンには、販売量がさらに伸びると見込んでいるようだ。

(写真提供=クク電子)アメリカで人気のクク電子製ホームベーカリー

そして代表商品の電気炊飯器も、欧米式の食生活に合わせた6人用の「マイコン炊飯器」を主力モデルにして、販売量が増え続けている。

また空気清浄機などの「ウェルネス家電」の需要も急増すると、空気清浄機とフィルターで構成されたパッケージ商品をオンラインチャンネルで販売し、こちらもシェアを伸ばしている。消費者の反応を受け、今後はオフラインチャンネルにまで流通網を拡大する案を検討しているという。

マーケティングによる成果

クク電子はアメリカでの業績上昇を追い風に、攻めのマーケティングでブランド認知度を高める計画だ。新型コロナの流行に伴い、健康への関心が高まるにつれ、栄養価の高いキヌアやオートミールといった穀物を利用した炊飯器レシピを提供するなど、現地化戦略に拍車をかけている。 

加えてアメリカ国内の新たな消費の主役として浮上したMZ世代(1980年代初頭~2000年代初頭生まれの若年層)を狙うため、現地インフルエンサーとの協業を進め、テレビのインフォマーシャル広告で消費者との接点強化と、ブランド認知度アップに力を注ぐ予定だ。

クク電子の関係者は「ククがアメリカ市場で有意義な成果を出し、利便性と健康を前面に出した代表的な“K-家電”ブランドとしての地位を固めている。新型コロナの影響で、暮らしの価値を高める家電への需要はさらに増加するとみられ、現地化戦略を通じた製品とサービス拡大に力を入れる計画」と述べている。

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