「新型コロナは選択的に発生します。防疫パス不要の新型コロナ安全地帯である地下鉄で、私的な集まりを開催しましょう。18時以降に集まりたい人は、(地下鉄)2号線の循環列車に集まってください」
そんな皮肉がSNSを通じて拡散している。韓国政府が防疫パス適用の施設を徐々に拡大しているなか、公平性に反する防疫指針を開始したからだ。
とあるネット民は、「2号線は1周回るのに1時間半ほどかかる」とし、「交通カードを初めて使った時間から5時間以内は追加料金が発生しない。知人たちと計3周しながら騒いで遊ぶことができる」という皮肉を掲載したりした。
韓国政府は1月10日から面積が約908坪(3000平方メートル)以上のショッピングモールやデパート、大型マート、農水産物流通センター、書店などにも防疫パス(ワクチン接種証明・陰性確認制)を追加適用した。現在、防疫パス適用の施設は、食堂・カフェ、室内体育施設、デパート・大型マートを含む17種だ。
行く場所を失ったワクチン未接種者たちの不満の声も高まった。とある未接種者は「新型コロナは選択的に感染するウイルスか」とし、「こんなふうに苦しめてくるのであれば裏の方法を考えるしかない。政府の言葉通り、新型コロナ感染の危険がない地下鉄で集会をすることも検討中だ。結局、感染経路を把握することがさらに難しくなり、防疫システムは崩壊するだろう」と主張した。
防疫パス適用施設がますます拡大し、市民の間では防疫パス執行停止や効力停止などの申請が相次いでいる。ソウル行政裁判所は去る1月4日、塾・読書室・スタディカフェを防疫パス義務適用施設から除外してほしいという学父兄団体の申請を引用したりした。
公平性に関する論議は、展示会会場をめぐっても巻き起こっている。展示場はワクチン接種の有無にかかわらず、50人未満の人員を収容することができる。特にワクチン接種完了者だけの入場の場合、人数制限がない。座席の間を空ける必要もない。
しかし美術館の場合、防疫パスがなければ入場が不可能だ。美術館は危険であり、展示会は安全という非論理的なガイダンスによって公平性の議論を避けることが難しい状況だ。韓国政府は、「PC部屋や美術館は防疫パスを適用するのに娯楽室や展示会はなぜしないのか」という質問に、「利用形態を考慮した」という言葉だけを繰り返した。
防疫対策「社会的距離確保」の強度が次第に上がり、ワクチン未接種者の立場が次第になくなっていくにつれ、様々な“便法”が飛び交っている。韓国中央災害安全対策本部は、「社会的距離確保」の強化措置を来る1月16日まで施行した後、改編するという姿勢だ。しかし防疫パスをすぐに中止することはないだろうというのが専門家たちの見方だ。
政府関係者は「防疫パスは死亡リスクを減らす有効な手段」とし、「昨年12月、新型コロナ感染拡大時に初めて防疫パスを拡大適用した結果、連日7000人余りを上回った新規感染者数が3000人半ばにまで下がり、一日の重症患者も700人台に減った」と、防疫パスに固執するという意志を曲げていない。
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