『パラサイト』だけじゃない!アカデミー賞で注目された“もうひとつの韓国映画”とは

2020年02月10日 映画 #韓国映画

韓国映画の真価がアカデミー賞で発揮された。

韓流が世界を揺るがした。BTS(防弾少年団)はじめとしたK-POPではなく、今度は“Kムービー”が熱風を巻き起こしている。

昨年、ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』が第72回カンヌ映画祭で韓国映画初のパルム・ドールに輝いたことに続き、2月10日(日本時間)に米ハリウッドのドルビー・シアターで開催された第92回アカデミー賞授賞式では、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4冠に輝いた。

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アカデミー賞にノミネートされただけでも、韓国映画の歴史に名を残す出来事だ。『パラサイト』は韓国映画史上、初の快挙を成し遂げることとなった。

国際長編映画賞の受賞はある程度、予想する声もあったが、監督賞や作品賞を含めた4冠を達成するとは、ポン・ジュノ監督自身も予想していなかった。

舞台に上がったポン監督は、「外国語映画賞が国際映画賞に名前が変わった。名前が変わって初めて賞をもらえて非常に嬉しい。変化を象徴するところだと思う。オスカーが追求する方向を示していると考えている」と話した。

『パラサイト』だけではない。今回のアカデミー賞では、もうひとつの韓国映画が注目された。

ノミネートされた“もうひとつの韓国映画”とは

短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた『不在の記憶』(イ・スンジュン監督)だ。 

『パラサイト 半地下の家族』(左)と『不在の記憶』

『不在の記憶』は“セウォル号惨事”を扱った29分間のドキュメンタリー。304人の命を奪ったセウォル号沈没事故を扱ったドキュメンタリーは、責任の所在や原因に焦点を当てたものが多かったが、同作は当時の現場映像と通話記録を中心に、2014年4月16日の現場に集中して国家の不在に質問を投げかけるドキュメンタリーだ。 

『不在の記憶』は、韓国映画として初めてアカデミー賞の短編ドキュメンタリー部門にノミネートされ、話題を集めた。同賞は『Learning to Skateboard in a Warzone (If You're a Girl)』が受賞したが、ノミネートされただけでも拍手を受ける十分な成果だ。

イ・スンジュン監督はこの日、セウォル号事故の遺族である故チャン・ジュンヒョンさんの母オ・ヒョンジュさんと、故キム・ゴンウさんの母キム・ミナさんとともにレッドカーペットを歩き、注目を集めた。

授賞式は別に座らなければならなかったが、レッドカーペットを一緒に歩きながら映画の意味を振り返った。

いずれにしても『パラサイト』と『不在の記憶』は、韓国映画を世界的に伝える良いきっかけになったという評価だ。該当作品だけでなく、韓国映画そのものの見方も変わってくると思われる。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領もSNSを通じてお祝いのメッセージを送った。

文大統領は『パラサイト』のアカデミー賞4冠の快挙に、「過去100年、韓国の映画を作ってきたすべての方々の努力が蓄積された結果だ。韓国映画が世界の映画と肩を並べ、新しい韓国映画100年を開始することになって非常にうれしい」と伝えた。

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