“HYBE問題”を中心に韓国国内の大手芸能事務所の銘柄が連日下落傾向に入ったことで、個人投資家の間では悲鳴が上がっている。
【写真】ミン・ヒジン代表「クソジジイ」会見、まさかのグッズ化
3月には韓国国内エンタメ株の株価に「春の日差しが入る」と予想されたなか、ADOR(アドア)のミン・ヒジン代表の記者会見が冷水を浴びせる形となった。
HYBEとミン・ヒジン代表の暴露合戦は、HYBE(ハイブ)のパン・シヒョク議長に対する失望感、NewJeans(ニュージーンズ)に対する懸念、そしてエンタメ株への不信に広がり、韓国国内の投資家の心理にも否定的な影響を及ぼした。
結局、韓国国内3社の芸能事務所の株価に悪材料として作用し、相次いで不振が続いている。
4月2日、HYBEの株価は前日比3000ウォン(日本円=約300円)下がった20万ウォン(約2万円)に迫った。
“人的リスク”による株価下落は今回に限った話ではない。
2月にはSMエンターテインメントも、aespa(エスパ)メンバーのカリナの熱愛説によって、一日で時価総額が約700億ウォン(約70億円)近く蒸発したことがある。
今年に入って早くも一度“大打撃”を受けた個人投資家たちは、エンタメ株に対する投資心理が萎縮した状況のなか、今回の“HYBE問題”が勃発したことで「もうエンタメ株を買わない」と宣言する発言などが飛び出ている。
見た目を重要視していた韓国エンタメ業界の株価は、過去とは異なり「熱愛説」「再契約失敗」などが上昇傾向に大きく左右するようになった。
もはや、このような人的リスクによる株価変動は避けられない。エンタメ株の“代表的な特性”として挙げられるようになった。
ただ、今回のようなオーナー同士の表立った争いによる株価変動は珍しいケースだ。
彼らは所属アーティストをめぐり、まるで夫婦が“親権争い”を繰り広げるかのような世論戦を続けている。
去る4月25日、ミン・ヒジン代表は緊急記者会見を通じてパン・シヒョク議長との葛藤を余すところなく公開した。
するとHYBEは、「違法な経営権奪取の試みを、補償関連紛争と報復のフレームに縮小しようとする消耗戦には一つひとつ対応しようとしない」とし、「今回の事案は、ADOR経営権奪取のためにミン・ヒジン代表側が緻密に計画したことであることをすでに明らかにしている。ミン代表が主張する内部告発もその一環であることが、監査の結果明らかになった」と主張した。
一部ではこの騒動に関して、製作者がアーティストをめぐって対立する構図はアイドルのイメージ毀損に直結し、ひいては株価下落に繋がる要因だと指摘している。
このように、HYBEとミン・ヒジン代表の争いが継続するなか、プットオプション(予め決められた行使価格で商品を売却する権利)契約に続き、両者間の株主間の契約違反可否も新しい葛藤要素として浮上している。
HYBE側の手を挙げれば、ミン・ヒジン代表が手に入れる金額は1000億ウォン(約100億円)から30億ウォン(約3億円)未満へと大幅に減少する。
ミン・ヒジン代表の立場では、事実上の「手ぶら」で代表取締役を辞任することになるため、これをめぐり法廷での攻防が予想される。
ただ、状況次第ではHYBEの株価も大幅に変動する見通しだ。そのため、韓国国内の個人投資家たちの投資意欲も連日揺らいでいる。
もっとも、韓国国内の証券業界では、現在は「低点買収」の時期だと診断されている。
株価の変動性は継続するが、市場の期待値は着実に増加しているとのことだ。
また、製作者間の法廷攻防が繰り広げられるとしても、アーティスト活動が不発となったり、中長期の成長動力が毀損したりするなど、実際の影響は大きくないと分析されている。
大信(テシン)証券のイム・スジン研究員もやはり、「現在の株価水準は、NewJeansの活動中断など保守的な仮定を反映した水準」とし、「NewJeansの活動が継続する可能性が高いと判断し、今後の攻防戦が最終段階に入ってNewJeansの今後の活動に対する可視性が確保された際には、株価の回復が本格化するだろう」と見通した。
また、ハンファ投資証券のパク・スヨン研究員は、「HYBEアーティストのラインナップからNewJeansが排除されるという最悪のシナリオよりは、HYBE内でミン・ヒジン代表が排除される側に糸口がつかめる展望だ」とし、「ミン・ヒジン不在のNewJeansのパフォーマンスを確認する過程で、株価の変動性の拡大は避けられない」と展望した。
■【写真】ミン・ヒジン代表、「BTSいない方が得」発言の真相
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