「CMの美少女ガール」から真の「女王」へ…女優キム・ジウォン、『涙の女王』で新時代を切り開いた

2024年04月16日 話題

女優のキム・ジウォンがドラマ『涙の女王』を通じて、新時代を切り開いた。

【写真】キム・ジウォン、10代のような“すっぴん”

Netflixでも配信中のドラマ『涙の女王』(tvN)で財閥3世の“ホン・ヘイン”を演じ、真の「女王」として全盛期を迎えている。

彼女は、韓国コンテンツのオンライン競争力分析機関であるグッドデータコーポレーションが発表した4月1週目の出演者話題性部門で1位に。また4月14日に放送された『涙の女王』第12話は、20.7%の視聴率(ニールセンコリア全国有料世帯基準)を達成した。

その勢いで、キム・ジウォンのインスタグラムのフォロワー数は1000万人を突破。最近は焼酎ブランド「チョウムチョロム」とハンファ損害保険の広告にも抜擢された。

今から14年前の2010年に東亜大塚の飲料ブランド「oran・C」のCMに出演し、「oran・Cガール」と呼ばれた彼女は、「ガール」から「女王」に生まれ変わった。

キム・ジウォン
キム・ジウォン

歌手練習生として芸能界入り

そもそもキム・ジウォンは、歌手の練習生として芸能界に入った。中学生の時、街頭でスカウトされ、ライオンメディアと契約を結んだ。練習生時代からずば抜けた美貌で口コミが広まった。

2010年、BIGBANGと一緒に撮影した携帯電話「Lollipop」のCMで「Lollipopガール」と呼ばれ、「oran・C」のCMで「oran・Cガール」として印象を残した。

そんな関心とは異なり、デビュー序盤は出演作品に運がなかった。大人気のなかで放送されたMBC『ハイキック』シリーズのシーズン3である『ハイキック3~短足の逆襲』(2011)、チャン・ジン監督の映画『ロマンティック・ヘブン』に相次いでキャスティングされたが、成績はあまり良くなかった。

『ハイキック3~短足の逆襲』当時のキム・ジウォン
(写真提供=MBC)『ハイキック3~短足の逆襲』当時のキム・ジウォン

本格的に女優として注目されたのは、脚本家キム・ウンスクのドラマ『相続者たち』(2013)だ。利己的で自己中心的な財閥ユ・ラヘルを演じ、“キム・ウンスク師団”に名を連ねた。キム作家は、善良な印象のキム・ジウォンが口を閉じているときに見せた冷たい姿から、彼女をキャスティングしたという。

『相続者たち』当時のキム・ジウォン
『相続者たち』当時のキム・ジウォン

3年後、再びキム作家が執筆した『太陽の末裔 Love Under The Sun』(2016)に出演し、わがままな財閥ユ・ラヘルと180度異なる軍人ユン・ミョンジュを節度よく消化した。「キム・ウンスクのミューズ」という修飾語ができたのもこの頃だ。

キム作家との縁は『ミスター・サンシャイン』(2018)まで続いた。当時、キム・テリが演じた主人公コ・エシンの母親ヒジン役で特別出演し、自分をスターにしてくれたキム作家に対する義理を守った。

『太陽の末裔』当時のキム・ジウォン
(画像提供=KBS)『太陽の末裔』当時のキム・ジウォン

スター作家の作品に次々とキャスティング

個性の強いキム・ウンスク作家の作品を通じて注目を集めたからか、韓国を代表するスター作家たちが相次いでキム・ジウォンをキャスティングした。

イム・サンチュン作家が執筆した『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』(2017)は、サブヒロインに留まっていたキム・ジウォンが主人公に生まれ変わった作品だ。

『涙の女王』第1話で、主人公“ペク・ヒョヌ”を演じる俳優キム・スヒョンは、「私はきれいなふりをしたのではなく、ただきれいに生まれたのに」というキム・ジウォンの台詞をオマージュして話題を集めたりもした。

『サム、マイウェイ』のキム・ジウォン(左)とパク・ソジュン
(写真提供=OSEN)『サム、マイウェイ』のキム・ジウォン(左)とパク・ソジュン

穏やかなヒューマンドラマ『私の解放日誌』(2022)では、深みのある演技で反響を起こした。内向的な人物であるヨム・ミジョンを演じ、30代の演技者として存在感を示した。ク氏(演者ソン・ソック)に会い、「私をあがめて」と初めて本音を持ち出すシーンが視聴者の心を奪った。

『私の解放日誌』ソン・ソック(左)とキム・ジウォン
(写真提供=JTBC)『私の解放日誌』ソン・ソック(左)とキム・ジウォン

『愛の不時着』ソン・イェジンを超えるか

『星から来たあなた』や『愛の不時着』で知られるパク・ジウン作家とは、『涙の女王』が初めての呼吸だ。パク作家はロマンティックコメディ界で、キム作家と並ぶ2強に挙げられる。

キム・ジウォンが『涙の女王』で演じるホン・ヘインは財閥3世だが、幼い頃に不意の事故で兄を失った痛みを秘めたキャラクターだ。弱り目にたたり目で、不治の病で余命3カ月の宣告まで受けた。

表現が下手で冷たく振舞うが、心は誰よりも温かい。特に夫ペク・ヒョヌ(演者キム・スヒョン)の前では、愛らしい「ツンデレ」の一面を見せる。

『涙の女王』のキム・ジウォン
(写真提供=tvN)『涙の女王』のキム・ジウォン

キム・ジウォンはホン・ヘインのキャラクターを立体的に消化し、視聴者を虜にしている。ややもすれば嫌われそうなキャラクターのバランスを取りながら、魅力的なホン・ヘインを完成させた。

デビュー当初からずば抜けた美貌で注目を集めたが、1年間、中華料理を食べないほど徹底した自己管理能力まで見せた。

彼女の活躍もあり、『涙の女王』は『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』が記録した20.5%の視聴率を超え、tvN歴代ドラマ視聴率2位に上がった。歴代最高視聴率を記録した『愛の不時着』の21.7%まで超える勢いだ。

キム・ジウォンがスター作家から着実にラブコールを受ける理由について、『涙の女王』の関係者は「キム・ジウォンは節制された感情表現が特に優れた演技者」とし、「一見冷静に見えるが、中身は弱いキャラクターの表現に長けている。キム・ジウォンの演技に没頭する視聴者が増え、作家たちのラブコールが続いているようだ」と分析した。

『涙の女王』のキム・ジウォン
(画像提供=HighZiumスタジオ)『涙の女王』のキム・ジウォン

「女王」に生まれ変わったキム・ジウォンの活躍がますます期待される。

◇キム・ジウォン プロフィール

1992年10月19日生まれ。2010年にBIGBANGと共に携帯電話のCMに出演して話題を呼んだ。その後、韓国版『花ざかりの君たちへ』(2012年)、『相続者たち』(2013年)、『私が結婚する理由』(2014年)といったさまざまなドラマに出演。なかでも、2016年に放送されたドラマ『太陽の末裔』では美人軍医ユン・ミョンジュ役を好演し、一層注目を集めることとなった。

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