パク・ソジュンとパク・ミニョンが共演した『キム秘書はいったい、なぜ?』。特に、パク・ソジュンが随所に見せる「落差」がこのドラマのツボであった。
そもそも、韓国ドラマの大きな特徴は何か。それは、「落差」を巧みに利用するということだ。
たとえば、見た目と中身がまるで違うというその大きなギャップが、ドラマ的な面白さを生むことが多い。そういう意味では、『キム秘書はいったい、なぜ?』は典型的な落差ドラマである。
とにかく、このドラマは冒頭からパク・ソジュンが演じるヨンジュンが、どれくらい完璧な男であるかを徹底的に見せていく。
ヨンジュンはユミョン・グループの副会長だ。ルックスはもちろんのこと、いくつもの外国語をネイティブのように話し、会議ではプレゼンターが示す数字の間違いを細かいほどに指摘する。まるで、頭の中に超高速のコンピュータを持っているかのように……。
仕事が抜群にできるし、非の打ち所がない。それが、パク・ソジュンが扮するヨンジュンである。
しかし、これほどの男が、キム秘書(パク・ミニョン)が急に辞めると言い出したとたんに激変する。まるで、迷える子羊になってしまうのだ。
ここから完璧なはずのヨンジュンの落差が見えてくる。その果てに、彼のボロが次々に出てくる。そこがまた見ている人が気持ちよく笑えるところであり、このドラマのツボになっている。
いわば、『キム秘書はいったい、なぜ?』はパク・ソジュンの落差をとことん見せるドラマだと言っても過言ではないだろう。
それにしても、パク・ソジュンが扮するヨンジュンとパク・ミニョンが演じるキム秘書は、誰が見てもウットリするような「絵になるカップル」だ。スペイン大使館で行なわれたパーティに手を組んで入場してきたときの2人……まさに、天下の美男美女という感じでサマになっていた。
こういうビジュアルを場面としてドラマに折り込めるのも、パク・ソジュンとパク・ミニョンの大きな持ち味と言えるだろう。
ラブコメといえば韓国ドラマの真骨頂だが、『キム秘書はいったい、なぜ?』は新しいラブコメのスタイルを楽しく見せてくれた作品だ。
【写真】パク・ソジュンがお茶目な伸びかけ“パイナップルヘア”披露
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
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