過激なパフォーマンスが公然わいせつ罪で告発された歌手ファサが、騒動後初めて正直な気持ちを語った。これまで毅然とした態度を見せることはあったが、気苦労を吐露したのは今回が初めてだ。
ファサは去る5月、韓国の音楽バラエティ『ダンス歌手流浪団』（原題）の収録会場となった大学祭で披露したパフォーマンスが「あまりにも煽情的」と物議をかもした。放送では過激とされる振り付け部分はカットされていたが、特定の振り付けが含まれたパフォーマンス映像は瞬く間にネット上で拡散された。
そして2カ月後の7月には、保護者団体がファサを公然わいせつ罪の容疑で告発する事態となった。保護者団体は当時「ファサの行為は変態的な性関係を連想させ、これを見た大衆に羞恥心と嫌悪感を抱かせるのに十分だった。振り付けの脈絡と合わず、芸術行為としての解釈が不可能」と主張した。
しかしファサは、そんな騒動をものともしない姿勢を貫いてきた。去る6月に出演した歌手PSY主催の音楽フェスティバル「PSY SUMMER SWAG 2023」では「喉の調子が心配だった。告発されたことよりもこれが一番心配だった」と語り、観客を熱狂させた。さらには「ステージというのはとても不思議。心配して恐れていることも、ステージに立つとすべて忘れられる」と語り、公演全体の雰囲気を盛り上げた。
ところが、去る4日には歌手ソン・シギョンのYoutubeチャンネルを通じて精神的に追い詰められていたことが明らかになり、多くのファンが驚きを隠さなかった。
ソン・シギョンのYoutubeチャンネルで公開された最新映像で、ファサは6日リリース予定の新曲『I Love My Body』について語った。同曲をリリースするきっかけとなったのが、まさに“公然わいせつ騒動”だという。
ファサは同曲について「単純だけど、どっしりとしたメッセージを含んでいる。なぜなら私がそのように感じたから」と語り、「私がこの曲を選択することになったきっかけだけど、しばらくわいせつ議論で騒がしい時期があった」と当時を振り返った。
ファサ本人が“公然わいせつ騒動”を知ったのは、米州ツアー中のことだったという。当時のことについては、こう語っている。
「（当時は）MAMAMOOの米州ツアーの最中で、ちょうどアメリカに到着した日にカカオトークがたくさん来ていた。それで、“またなにか起きたんだな”と思いつつ願うような気持ちでカカオトークを開いた。私のステージパフォーマンスが議論になったと聞いて、“そうなんだ”とは思いつつ悪質コメントがすごかった」
ファサはさらに、「私は悪質コメントにもともとそれほど執着しなかったけれど、今回は少しひどすぎた」とし、「ニューヨーク公演が（騒動後）初めての公演で、そのときまでメンタルを管理しなければならなかった。ただただ、“私がこれまでやってきたとおりにやろう”という気持ちで気持ちの整理をつけたつもりだったけど、ずっと気になっていた。それでも平気なふりをして、ステージを終えるや否やどっと涙があふれてきた」と打ち明けた。
当時の涙に関しては、「今年一番激しく泣いた。涙が滝のようにこぼれた」と語っている。「これではいけないと思って、メンバーに風に当たってくると伝えてホテルを出た。人がいないところでひとしきり泣くと、少し気持ちが落ち着いた」という、自分なりに涙と向き合ったエピソードも印象的だ。
現在の所属事務所P NATIONの代表でもあるPSYが新曲『I Love My Body』を提案したのも、この時期だという。自身の苦しんでいるときに『I Love My Body』に触れ、騒動以降初めて笑ったという。
「わいせつ議論に苦しんでいるのに、突然“私の体を愛している”と叫ぶのがどうしても愉快だった」と切り出したファサは、「気分転換にもなって、この歌を聴いてとても気分がよくなって、次の曲はこれにしてもいいなと思った」と笑顔を見せた。
議論の中心に立ちながらも毅然とした態度を続けてきたファサだったが、その背景には“自分らしくない姿を見せたくない”という世間に対する思いもあったのかもしれない。ツアーや再契約をはじめとした各種スケジュールがひと段落した今、初めて明らかにした当時の心境には考えさせられるファンも少なくないだろう。
そんなファサがさまざまな葛藤を経てリリースする『I Love My Body』であるだけに、今後の華麗なパフォーマンスにも期待が高まるばかりだ。
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