釜山国際映画祭(BIFF)側が前執行委員長の“性暴力疑惑”について、公式謝罪した。
6月15日、釜山国際映画祭側は公式立場を発表し、「職場内のセクハラ、性暴力事件に対して深く謝罪する」と伝えた。
続けて「5月31日付の報道資料で職場内のセクハラ、性暴力事件を個人の問題として表現した部分について深く謝罪する」と述べた。
また映画祭側は「韓国映画性平等センター“ドゥンドゥン”の勧告手続きに従った内部調査に誠実に応じ、今後このようなことが再発しないよう、制度的な装置を用意する」とし、「映画祭は今後、責任のある姿勢で該当事件はもちろん、映画祭全職員の安全を責任とれるよう、真相究明および再発防止のために努力する」と明かした。
先立って釜山国際映画祭は、開催まで5カ月余りとなった時点でホ・ムンヨン執行委員長が辞退の意思を表明し、内紛が勃発した。
その過程でホ・ムンヨン執行委員長が映画祭の内部職員に、性暴力およびセクハラをしていたという疑惑が提起された。釜山国際映画祭側は当初、理事会緊急会議を通じて個人の問題が明らかになるまで復帰を待つと表明したが、数日後にホ・ムンヨン進行委員長の辞表を受理することを決めた。
ホ・ムンヨン執行委員長は性暴力疑惑を否認し、「(情報提供内容の)事実関係を明らかにするのに時間が相当かかるだろうし、事案自体が重大な論議になりかねず、このような状況で映画祭に復帰すれば、その議論はそのまま映画祭の被害につながるだろう。これが最終的に辞退を決めた理由」とし、映画祭から離れた。
なお、今年の釜山国際映画祭は10月4~13日に開催される予定だ。
釜山国際映画祭側の公式立場全文は、以下の通り。
◇
去る5月31日の報道を通じて明らかになった職場内のセクハラ、性暴力事件に対して、まず頭を下げて心から謝罪いたします。
該当事件に対する釜山国際映画祭の迅速な措置がなされず、被害者の立場を十分に考慮しなかった立場発表があった点も、遅ればせながらお詫び申し上げます。釜山国際映画祭は「韓国映画性平等センター、ドゥンドゥン」の勧告手続きにともなう内部調査に誠実に応じ、今後このようなことが再発しないよう、制度的な装置を用意するようにします。
次は被害者の要求事項に対する釜山国際映画祭の主な回答内容です。
1. 2023年5月31日、釜山国際映画祭(以下「映画祭」という)公式報道資料に対する異議申し立てと、事務局の責任下での真相究明要請
「個人の問題がきちんと明らかになるまでは復帰を待つことにし、辞表の受理はその時まで保留する」
職場内のセクハラ、性暴力事件を個人の問題として表現した部分について深く謝罪いたします。
映画祭は今後、責任のある姿勢で該当事件はもちろん、映画祭職員全体の安全に責任を持てるよう真相究明、および再発防止のために努力します。また、事実の有無が確実視される前に「復帰を待つ」という立場文に関して、本被害事件とは別に、2023年5月11日付ホ・ムンヨン執行委員長の辞意表明に対する立場でしたが、被害者の立場を十分に考慮できませんでした。謝罪いたします。
2. ホ・ムンヨン執行委員長の辞表撤回と関連して
「ホ・ムンヨン執行委員長の辞表処理は、本人の意思を尊重して受理する」
ホ・ムンヨン執行委員長の意思だけを尊重し、被害当事者に対する映画祭レベルの謝罪と真相調査への言及もない一方的な報道内容に関して、被申告人が5月11日に辞任の意思を表明した当時、5月31日に辞任するという期限を明示した辞任書が提出されたことで、すでに辞任の効力が発生している状況でしたが、映画界および映画祭の要請で受理されなかった事案です。
該当の件は、被害者の意思を尊重しないためではなく、映画祭の山積した問題と相まって申告以前にすでに進行しされていた被申告人の辞任意思を受け入れたものですが、これもやはり被害者の意思を確認しない誤りでした。
映画祭が被害者の意思を聞かないまま急いで辞職を受理したことで、被害者を傷つけた点、もう一度深くお詫びします。被申告人の辞職は、6月2日(金)の第4次理事会を通じて受理され、効力が発生しました。辞職を受理するかどうかを判断するにあたって、現在直面している映画祭の準備に重点を置いたため、被害者の意思を尋ねるなどの措置が取れませんでした。謝罪いたします。映画祭は、今からでもこれを正す方法があるかどうかを検討しました。
関連法と規定では、「適法な手続きを経て執行委員長の辞職を受理した状態であり、再び議決の手続きを経て辞職受理を撤回することは特別な事情がない限り効力がなく違法だ」と示されています。(関連判例、最高裁判所1993.9.14.宣告93ダ28799判決)
法人と職員間の法律関係は、根本的に勤労基準法上の勤労契約関係であり、法人と理事長、執行委員長を含む理事間の法律関係は、根本的に民法上の委任契約関係です。勤労契約関係でセクハラのような特別な事情を考慮できるのとは異なり、委任契約関係で職員に適用される服務規定を理由に、執行委員長の辞職の受理を撤回することは違法と見られるという法律諮問を受けました。これらの検討を通じて、映画祭は次のような結果をもたらしました。
映画祭は、ホ・ムンヨン執行委員長の辞職を受理することで、事件の真相調査を回避する意図がありません。必ず事件の真相調査を行い、職場内のセクハラや性暴力予防のために最善の努力を尽くします。しかし6月2日(金)からホ・ムンヨン執行委員長の辞職の効力が発生し、辞職受理の撤回は違法であるため覆すことはできません。重ねて被害者の意見が事前に尊重されなかった点について、深く謝罪を申し上げます。
3. 6月2日、釜山国際映画祭理事会の公式立場発表に強く異議を唱え、被害者側に真摯な謝罪を促す
被申告者には「韓国映画性平等センター、ドゥンドゥン」の「映画産業内セクハラ・性暴力予防および対処ガイド」を通じた案内、および事件処理の手続きに積極的に協力することを要請します。
また、理事会が被害を訴えた前事務局職員に「個人が受けた苦痛を減らすのが人間的な道理」と言及した点に関して、もう一度頭を下げて謝罪します。映画祭は役職員全員の性認知の感受性を向上させるために予防教育をより徹底します。
4. 上記の件に対する公式回答と次の事件調査進行に対する事務局の立場掲示
該当事件は映画祭在職中に発生した「職場内セクハラ、性暴力事件」として真相調査します。また真相調査が終了したら、結果に関する報道資料や映画祭の謝罪文を掲示いたします。
徹底的で透明な事件処理のために、客観性と信頼性を担保した外部真相調査団を指定して事件の調査に臨みます。(外部真相調査団:(社)釜山性暴力相談所・釜山文化芸術界セクハラ性暴力相談センター)
映画祭は現在、組織の刷新を準備しています。今後、映画祭の特性を反映した職場内セクハラ、性暴力予防マニュアルを補完し、現在は「韓国映画性平等センター、ドゥンドゥン」の予防および対処ガイドを、社内イントラネットを通じて掲示しました。これと関連した教育を強化し、制度的な装置を追加で用意します。
公文書を通じた公式回答と共に、このように報道資料を通じた映画祭の立場を掲示します。もう一度、被害者に頭を下げて謝罪し、釜山国際映画祭は徹底した真相調査を通じて絶対このようなことが再発しないようにいたします。
釜山国際映画祭理事長イ・ヨングァン
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