事務所から離れて“同じグループ名”が使えずドロ沼の争いになることも…K-POPの「商標権」とは

2023年05月10日 話題

自分たちの“生みの親”をそう呼べないK-POPアーティストがあふれる時代だ。

【写真】独立したのに商標権を無償で譲渡されたK-POPグループが?

Woollimエンターテインメントのイ・ジュンヨプ代表が自らローンチした第2世代アイドルグループINFINITEのすべての商標権をメンバーたちに無償譲渡した事実が、5月9日の本紙『スポーツソウル』の独自報道で明らかとなり、K-POP界とファンから大きな関心を集めた。

「デビュー時からグループとメンバーに対する愛情が多かったイ・ジュンヨプ代表が私たちの未来を応援し、快くINFINITEをはじめとするすべての商標権をプレゼントしてくれた」(INFINITEキム・ソンギュ)

(写真提供=OSEN)INFINITEキム・ソンギュ

これまで商標権の使用をめぐってアーティストと制作者が大きな葛藤を生み、訴訟、または改名の道を選んできたK-POP界では珍しく心温まる事例であり、大多数のK-POP関係者が驚きを隠せない。

『スポーツソウル』が取材した結果、イ・ジョンヨプ代表はリーダーのキム・ソンギュの誕生日(4月28日)プレゼントとして「INFINITE商標権無償譲渡」を贈った。商標権登録照会サービスであるKIPRISによれば、2010年にWoollimエンターテインメントが商標権を出願した「INFINITE」は、2023年4月21日付でキム・ソンギュが代表を務める「INFINITEカンパニー」にすべての権利が移転登録された。

これに伴い、INFINITEメンバーのキム・ソンギュ、チャン・ドンウ、ナム・ウヒョン、イ・ソンヨル、エル、イ・ソンジョンで構成された6人組グループは、今後もINFINITEという名前で活動することはもちろん、コンサートで昔のヒット曲を歌ったり関連グッズを生産したりすることができる。

INFINITE

イ・ジョンヨプ代表は他にも、INFINITEのファン名「INSPIRIT」、INFINITEのファンミーティングブランドである「無限大集会」と関連した商標権まで、キム・ソンギュをはじめとするメンバーたちに条件なしに渡した。金額が計り知れない、太っ腹な誕生日プレゼントだ。

K-POPの商標権は黄金の卵を産むガチョウ? 

そもそも商標権は、登録商標を指定商品に独占的に使用できる権利だ。

韓国の芸能事務所が標準契約期間である7年を終えて独立するアイドルグループと商標権をめぐって葛藤を生じさせるのは、商標権が「黄金の卵を産むガチョウ」になりうるからだ。

K-POPが世界的に注目され、ファンと関連した収入が増大しながら、商標権の問題はさらに大きなイシューに浮上した。グループ名はもちろん、長らくグループと共に過ごしたファン名、コンサートブランド、メンバーの写真など、多様な商標権が芸能事務所の主要資産として位置づけられたためだ。

端的な例が、元祖K-POPボーイズグループとされるH.O.T.だ。2018年、蚕室(チャムシル)メインスタジアムで開かれた彼らの再結合コンサートは、「H.O.T.」の商標権を持つ元SMエンターテインメント代表のキム氏の訴訟で法廷争いとなった。

(写真提供=ソルトイノベーション)2018年に開かれた「2018ハイファイブ・オブ・ティーンエイジャーズ・コンサート」

当時、キム氏はH.O.T.が商業的なコンサートを開催する場合、国際基準に準ずるロイヤリティを要求したと伝えられた。

最終的にH.O.T.は、コンサート名を「2018ハイファイブ・オブ・ティーンエイジャーズ・コンサート」(2018 Forever High-five Of Teenagers)に変更し、広報およびポスターにも「H.O.T.」という名称と公式ロゴを使用しなかった。メンバーたちの写真もイラストに差し替え、公式グッズの制作および販売も失敗に終わった。

しかしキム氏は、「ハイファイブ・オブ・ティーンエイジャーズ・コンサート」という名前に変更した公演を2018年に続き、2019年も進行すると、「H.O.T.という商標権が直接・間接的に使われるため、これも商標権侵害に該当する」と主張し、「H.O.T.という商標権の侵害を防ぐことが目的」として訴訟を提起した。

「H.O.T.」というグループ名が、もともと「ハイファイブ(“H”igh-five)・オブ(“O”f)・ティーンエイジャーズ(“T”eenagers)」を略したものだからだ。

だがソウル中央地裁・第62民事部(合意)は、キム氏が提起した商標権侵害禁止民事訴訟で原告敗訴の判決を下した。キム氏は控訴したが、控訴審裁判所もこれを棄却。キム氏は上告状を提出し、最高裁の判決を受ける見通しだ。

ボーイズグループSHINHWAも、やはり「SHINHWA」の商標権を持っていたJUNEMEDIA(旧Open Worldエンターテインメント)を相手取って商標権譲渡訴訟を起こし、グループ名を取り戻した代表的な事例に挙げられる。

SHINHWA

ガールズグループT-ARAも元所属事務所MBKエンターテインメントが2017年の契約満了3日前に「T-ARA」の商標権を出願すると、特許庁に情報提出書を出してグループ名を守った。

当時、特許庁は「“T-ARA”は広く知られた著名な芸能人グループの名称を所属事務所から出願した場合に該当する商標であるため、商標法第34条1項第6号(現存する著名な他人の氏名)に該当し、登録を受けることはできない」と明らかにしていた。

(写真提供=Dingo)T-ARA

一方で、HIGHLIGHT(旧BEAST)、BB GIRLS(旧Brave Girls)のように、最初から“改名”を選ぶ事例も少なくない。訴訟まで長い間、元所属事務所と戦わなければならず、その期間中に旧グループ名を使用できずにファンの結束力が崩れる恐れがあるためだ。

法曹界ではK-POPが世界的に注目される産業であるだけに、もはや芸能事務所が商標権の権利主張から抜け出し、メンバーと会社が共生する方法を探さなければならないと助言する。

とある法律専門家は「初創期の商標権登録時、メンバーの名前を一緒に登載し、グループに不利益を与えたり脱退したりしたとき、商標権に対する権利を抹消させる方案も考慮してみる価値がある」と話した。

【写真】T-ARA出身ジヨンの結婚式にメンバーたちが大集合でファンも涙

NCT DREAM、新曲『Candy』が音源1位…H.O.T.メンバーとのダンスチャレンジも話題に

事実上の解散から“不死鳥”の如く復活…Brave Girls、グループ名をBB GIRLSに変更!

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集