Netflixでも配信中の人気の韓国ドラマ『医師チャ・ジョンスク』(JTBC)が、一瞬にして揺らいだ。
視聴率と話題性の二兎を得て勢いに乗ったと思われたが、ひとつの“ミス”で視聴者たちの不満を買っている。
事の発端は、5月6日に放送された第7話で「クローン病」を描写したことだ。
『医師チャ・ジョンスク』第7話では、クローン病を患う婿に、義父が「どうしてこんな悪い病気を隠して結婚できるのか。私の娘の人生を台無しにするにもほどがある」と叱責し、義母は「この病気は遺伝するとも。この結婚を諦めろ」と非難するシーンがあった。
放送後、『医師チャ・ジョンスク』の視聴者掲示板には、「クローン病はひどい病気ではなく、遺伝病でもない。その部分を削除してほしい」と要求する声が相次ぎ、議論となった。
怒れる視聴者らは放送通信審議委員会に苦情を入れ、5月9日までに計43件の苦情が受け付けられた。
「クローン病」の議論が起こるまで、『医師チャ・ジョンスク』は視聴率と話題性で他をリードし、見どころのなかったテレビドラマに活力を吹き込んでいた。
第8話の視聴率は16.181%(全国有料放送世帯基準)に上り、あの『梨泰院クラス』(16.548%)を抜いてJTBC歴代ドラマ4位となるのも時間の問題とされた。
グッドデータコーポレーション(代表ウォン・スンウ)のTV話題性研究チームが5月第1週にテレビ・OTT(動画配信サービス)統合ドラマ話題性を調査した結果、『医師チャ・ジョンスク』は前週から大きく上昇し、23.6%の占有率で話題性1位を記録した。同時間帯に放送される人気の医学ドラマ『浪漫ドクター キム・サブ3』(SBS)を抜いた結果だ。
この順位は5月1日から7日まで放送されたテレビとOTTドラマのなかで、ニュース記事、VON(ブログ/コミュニティ)、動画、SNSで発生した番組関連情報とこれに対するオンラインユーザーの反応を分析した結果だ。
それだけではない。グローバルOTTであるNetflixでも、17カ国でトップ10に入り、世界の視聴者に「Doctor CHA(ドクター・チャ)」の熱風を呼び起こした。
韓国をはじめ、インドネシア、マレーシアで1位、タイ、フィリピン、ベトナムで3位、シンガポールで4位、日本、サウジで5位を記録。特に家父長的な文化に対する共感が形成されたアジア圏で、20年目の主婦による“レジデント挑戦記”が痛快さを抱かせたと説明できる。
だが、クローン病の事態で視聴者からの激しい叱責を受けながら、制作陣も苦心していると伝えられた。『医師チャ・ジョンスク』側は、5月9日中に関連する立場を明らかにする計画だ。
■【写真】『医師チャ・ジョンスク』の主演、“韓国のマドンナ”の神スタイル
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