韓国のネット大手カカオが公開買付を選び、大手芸能事務所SMエンターテインメントの買収をめぐってHYBEと“全面戦争”を行うことになった。
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カカオはカカオエンターテインメントと3月7日から同26日まで、SMエンタの株式を1株当たり15万ウォン(約1万5000円)で、計833万3641株を公開買付すると公示した。
SMエンタ株の買収にブレーキがかかったカカオが、カカオエンタと共に公開買付に乗り出したのだ。
これはSM株式の35%に該当し、カカオとカカオエンタが半分ずつ分けて買収する。買収総額は約1兆2500億ウォン(約1250億円)レベルだという。
今回のカカオの公開買付決定は、HYBEが公開買付に失敗した直後に出た決定という点でも注目を集めている。
去る2月10日から3月1日まで、HYBEが公開買付を通じて確保したSM株は0.98%(23万3817株)に過ぎなかった。その公開買付でHYBEが保有するSM持分は15.78%となり、ここにイ・スマン前総括プロデューサーの持分3.65%を合わせれば、HYBEのSM持分率は19.43%だ。
業界では安定的な経営権を確保するために30%以上を確保しなければならないと見ており、公開買付を通じてSMエンタの経営権を安定的に確保しようとしたHYBEの試みは失敗したわけだ。
もしカカオが公開買付に成功した場合、HYBEを抜いて筆頭株主に上がることになる。
先立って3月3日、裁判所はイ・スマン前SM総括プロデューサーが提起したSMエンターテインメントの新株および転換社債(CB)発行禁止仮処分を引用したことにより、カカオのSM持分9.05%の確保計画が失敗に終わった経緯がある。
HYBEが有利な状況となり、1兆ウォンを超える莫大な資本が負担として作用するにもかかわらず、カカオが公開買付のカードを取り出した理由について、業界ではSMエンタ買収を通じた知識財産権(IP)の確保と見ている。
カカオエンタがグローバルコンテンツ企業に跳躍するためには、IPの確保が何より重要だという判断のためだ。
しかしHYBEもSM買収に対する強力な意志を示してきただけに、今後の対応に注目が詰まっている。
HYBEの立場では、再び公開買付で対抗する可能性もある。カカオが提示した1株当たり15万ウォンは、HYBEにとっても少なからぬ負担になるものと見られる。しかし証券街では、HYBEの最大資金動員能力を1兆ウォン台後半と判断しており、再び公開買付を試みる可能性が高いと予想している。
実際にHYBEは最近、カカオに匹敵する“実弾”確保のために、国内外のエンターテインメント会社や財務的投資家(FI)から最大1兆ウォンの投資金を誘致するため、水面下の接触に乗り出したという。
投資誘致が終われば、HYBEは先月、先制的にオイルマネー約1兆2000億ウォン(約1200億円)を誘致したカカオエンタに対応する実弾を備えることになる。
友軍を引き入れる可能性もあり、機関投資家、Com2uS(韓国のモバイルゲーム会社)、その他の法人など、主要株主の選択にも関心が集まっている。特に、その他の法人の正体もSM経営権の行方に少なからぬ影響を及ぼすものと見られている。
去る2月16日と2月28日の2日間だけで、その他の法人は7%を超えるSM株を買い入れたが、業界ではこの「その他の法人」がカカオエンタの友軍と推測している。
最終的にカカオがHYBEとの正面対決を選択し、3月31日に予定されている株主総会の票対決も激しくなる見通しだ。双方とも少額株主の議決権委任を受けることに総力を傾けるものと予想される。
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