BTS・JUNG KOOKのW杯開会式出演が“偉業”である理由…「韓国人がメインパフォーマー」の持つ意味

サッカーは世界で最もポピュラーであり、人気のあるスポーツだ。国際サッカー連盟(FIFA)加盟国は実に211カ国を数える。国際連合(UN)加盟国(193カ国)よりも多い。

その211カ国が、4年に一回開催されるW杯に出場するべく、予選から死力を尽くして戦う。サッカーワールドカップは世界中の人々が注目して楽しむ最高のスポーツイベントだ。

そのため、W杯の開会式には常に世界でもっとも有名なグローバルスターが登場してきた。

過去20年間を見ても、アナスタシアやイル・ディーヴォ、アリシア・キーズ、ブラック・アイド・ピーズ、ジェニファー・ロペス、ロビー・ウィリアムスなどといった世界的スターが開会式を飾った。彼・彼女らは一様に絶大な人気を謳歌したスターたちだ。

11月20日(日本時間)のカタールW杯開幕戦当日。開会式から取材をするため、記者は試合会場であるアル・ホールのアルバイトスタジアムを訪れた。

すると、セキュリティゲートを通過しようとした際、男性警備員に「君、韓国人だよね?今日、BTSのJUNG KOOKが公演するらしいじゃないか」と先に声をかけられた。記者は笑いながら「そうだ」と短く答えたが、内心は嬉しくてほほ笑んでいた。

現地時間17時40分頃、開会式が始まった。まず初めに、名前は知らずともほとんどの韓国人が顔を知っている名俳優、モーガン・フリーマンが登場した。彼を見て、改めて開会式がとてつもないステージであることを実感された。

そしてその後、JUNG KOOKがメインステージに上がった。JUNG KOOKの登場に、アルバイトスタジアムは大きな歓声に包まれた。

開会式でパフォーマンスを披露するJUNG KOOK

黒い衣装を着用したJUNG KOOKは、約3分間、大会公式ソング『Dreamers』を熱唱した。流麗なダンスと優れた歌唱力は、現場に集まった多くの人々を魅了した。

JUNG KOOKが華やかにステージを彩っている間、横に視線を向けてみた。隣の列に座っていた女性の観客たちが、一様にスマートフォンを持ってJUNG KOOKのパフォーマンスを撮影していた。

東洋人や西洋人を問わず、皆がJUNG KOOKに視線を集中していた。公開されたばかりの歌でメロディや歌詞もよくわからないはずなのに、身体を揺らして楽しんでいる様子だった。

30代後半に突入した記者は、実はアイドルのことをよく知らない。BTSの曲は『Dynamite』1曲程度しか知らないほどの“門外漢”だ。

そんな記者も、JUNG KOOKによってW杯開幕式で「クッポン」を感じた。クッポンとは「国(韓国語発音でクッ)」と「ヒロポン」を合わせた言葉で、「国家に対する自負心に陶酔し、無条件的に韓国を称賛すること」といったニュアンスの意味を持つ。

それは記者一人の考えではなかっただろう。開会式当日、現場にいたすべての韓国人が“ARMY(BTSのファンネーム)”だった。

◇JUNG KOOK プロフィール

1997年9月1日生まれ。本名チョン・ジョングク。2011年に放送された韓国のオーディション番組『スーパースターK』(Mnet)シーズン3の予選で脱落。デビューは逃したものの、多数の大手芸能事務所からオファーを受けた(現在所属するBig Hitエンターテインメント・現HYBEもそのうちの1つ)。本人は、「事務所見学の際にRMのラップに感銘を受けて入社を決意した」と振り返っている。その後、2013年にBTSのメンバーとしてデビューし、世界的な人気を誇るトップスターとなった。

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