Netflixでも配信されている人気ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で、14年目のベテラン弁護士チョン・ミョンソク役を演じる俳優のカン・ギヨンのアドリブが天才的だ。
カン・ギヨンは、第1話からウ・ヨンウ(演者パク・ウンビン)の新鮮な自己紹介に無味乾燥な表情とともに「すごく面白いです」というアドリブで笑いを誘った。この台詞は、放映前のティーザーとハイライト映像にも活用されるほど強烈な印象を与えた。
同時に、慌てた様子を隠しながら「ハンバダ」(ウ・ヨンウたちが勤める弁護士事務所)の代表ハン・ソンヨン(演者ペク・ジウォン)のもとへ向かう際も、ウ・ヨンウに「嬉しいです。会えて嬉しかったです」と言い、ウ・ヨンウの第一印象がどうだったのかをくみ取らせる。
第6話ではウ・ヨンウとチェ・スヨン(演者ハ・ユンギョン)が情熱的になり、担当する被告人のケ・ヒャンシム(演者キム・ヒアラ)に執行猶予の判決をもらえるようにすると固執すると「ああ、熱い」と言って視聴者を笑わせた。
第8話では、ウ・ヨンウがきらめいた手がかりについて伝えるため、チョン・ミョンソクに電話をかけ、言いたいことをどんどん吐き出すと「午前3時10分は、皆寝る時間じゃないか?鳥も、子羊も、ミョンソクも?」と興奮したヨンウを落ち着かせた。この時の最後の「ミョンソクも?」もやはりアドリブだったと言い、カン・ギヨンの優れた機転を実感することができる。
彼のセンスあふれるアドリブは、単なる笑いのポイントにとどまらない。
第4話でウ・ヨンウが退職届を提出したあとに、親友のドン・グラミ(演者チュ・ヒョンヨン)の事件をチョン・ミョンソクに担当するように依頼すると、電話でウ・ヨンウに「ウ・ヨンウ弁護士、こんにちは?」と挨拶した。その後、ハンバダに戻ってきたウ・ヨンウが「有給は、もともと使えません」と言い残して部屋を出ると、「一言も負けないね」とつぶやいたチョン・ミョンソク。両台詞ともに、台本にはなかったという。
このようにカン・ギヨンはキャラクターの性格を知り尽くし、適材適所にアドリブをきかせながら「チョン・ミョンソク」という役をより豊かに描き出している。
この他にも、依頼をうけたときの安定的な声、はっきりとしたディクション、愉快で穏やかだがカリスマ性を感じる視線など、彼の繊細な演技がドラマの完成度を高めるという評価が止まらない。
なおカン・ギヨンは学生時代にアイスホッケーの選手を目指すも諦め、その後、水原大学の演劇映画科に入学。2009年、舞台『悪い磁石』(原題)で芸能界デビューした。ドラマ『ああ、私の幽霊さま』『W-君と僕の世界-』『恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~』『あなたが眠っている間に』、そして大ヒットドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』にも出演している。プライベートでは2019年に年下の一般女性と結婚し、2021年に妻との間に息子が生まれ、一児の父親となった。
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