力のある俳優が“裏”で出演者を決めていた?感情的な告訴戦で自縄自縛に陥った韓国ミュージカル界

2022年06月24日 話題

ミュージカル俳優のオク・ジュヒョンとキム・ホヨンの“告訴戦”が、韓国ミュージカル界の慣行を打破しようとする動きに広がった。

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“ミュージカル第1世代”とされるナム・ギョンジュ、チェ・ジョンウォン、パク・カルリンが声明文を発表して参入し、後輩俳優たちも彼らの声明に同意し、手の施しようもなく状況が大きくなる様子だ。

業界内でも「市場の成長よりも、成熟を優先しなければならない」という自省の声が出ている。

俳優、スタッフ、制作会社の役割とは

ナム・ギョンジュ、チェ・ジョンウォン、パク・カルリンは6月22日、「すべてのミュージカル人に捧げる訴えの言葉」というタイトルの声明文を発表した。

今回の事態に至るまで傍観した責任を痛感すると明らかにした3人は、「最近起きたミュージカル界の告訴事件について、ミュージカルを愛し従事する俳優、スタッフ、制作会社など多くの人々が切なさと責任を感じている。特に私たちはミュージカル第1世代の俳優として、さらに嘆きの心境を禁じ得ない」と口を開いた。

左からチェ・ジョンウォン、ナム・ギョンジュ、パク・カルリン

彼らが出した声明文の骨子は、「各自が自分の位置と業務で程度を守らなければならない」だ。「俳優は演技という本然の業務に集中しなければならず、キャスティングなど制作会社固有の権限を侵犯してはならない」と指摘した。また、「スタッフは俳優の声を聞きつつも、何人かの俳優の便宜のために作品が流れていかないように中心を取らなければならない。すべての俳優を平等に扱わなければならない」と強調した。

さらに制作会社には「一緒に働くスタッフと俳優にした約束は、必ず守るように最善の努力をしなければならず、守れない約束を乱発してはならない。公演環境が何人かの特定の人だけでなく、参加するすべてのスタッフ、俳優に公正であるようにしなければならない」と促した。

そんな意見に、ミュージカル俳優のキム・ソヒョン、チャ・ジヨン、シン・ヨンスク、チェ・ジェリム、チョン・ソンア、チョン・ソンファ、チェ・ユハ、パク・ヘナなどは、個人SNSを通じて同意を表した。音楽監督のミン・ファルラン、歌手チョ・グォンなども力を加えた。

彼らの何人かは空に向かって伸ばした手のひらの写真を共有した。これは「手のひらで空を隠すことはできない」(ごまかそうとしてもごまかしきれないという意味)という意味に解釈できるだろう。

“ミュージカル第1世代”と呼ばれるナム・ギョンジュ、チェ・ジョンウォン、パク・カルリンが立場を表明し、ミュージカル俳優の多くが声明文への“同意リレー”を行う背景には、法廷争いへと広がったオク・ジュヒョンとキム・ホヨンの葛藤がある。

俳優がキャスティングを指示?

キム・ホヨンは6月14日、自身のSNSに「アサリパンは昔のことだ。今はオクジャンパン」という文章を残した。“アサリパン”とは、無秩序な場所や状態を意味する。

この投稿を見た一部のミュージカルファンは、オク・ジュヒョンがミュージカル『エリザベート』10周年記念公演のキャスト決めに関与したという疑惑を提起した。この“オクジャンパン”がオク・ジュヒョンを意味しているという推測からだ。

オク・ジュヒョン(左)とキム・ホヨン

10周年記念公演を控えている『エリザベート』の主人公には、オク・ジュヒョンと同じ所属事務所のイ・ジヘがキャスティングされていた。つまりキム・ホヨンは、オク・ジュヒョンが出演者を決めたことを批判する投稿をしたのではないかという見方だ。

最終的にオク・ジュヒョンは、「事実関係もなく、口と指でからかった者に怒らなければならない」とし、キム・ホヨンと悪質コメント投稿者2人を名誉毀損で告訴。キム・ホヨン側も真っ向からの対抗を予告した。

これと関連して、とある業界関係者は本紙『スポーツソウル』に「キャスティング論議をめぐるオク・ジュヒョンとキム・ホヨンの対応方式が残念だ。現場で頑張っているスタッフにも、舞台を期待している観客にも配慮のない行動だ。業界で有数の立場を持つ2人の俳優が、プロ精神なしに感情をぶつけ合ったようだ。この事件が大衆にミュージカル界に対する歪曲された認識を与えないかと憂慮する。これまで公演を大衆化させようとした努力が結実を見る雰囲気だったのに残念だ」と明らかにした。

一連の事態を俳優個々人による出来事と見るのではなく、ミュージカル制作環境全般の問題として見なければならないという意見も存在する。順天郷大学校・公演映像学科のウォン・ジョンウォン教授は、「この事件自体だけでも不祥事だが、あまりにも俳優中心に引っ張られていく韓国ミュージカル界の膿んだ部分が今になって破裂したと思う」と見た。

ウォン教授は、「ブロードウェイや韓国よりミュージカル産業が発達した国では、市場が俳優によって動いたりしない。韓国で俳優が注目され始めて、15~20年ほどになった。大衆を動かす方法として“スターマーケティング”を導入して以降、韓国ミュージカル市場が急成長した。当初は俳優に、これほど関心が集中しなかった。大衆性を持つ俳優を起用して売り上げが画期的に増え、俳優にフォーカスが合わせられながら副作用が生じた」と分析した。

結局のところ、業界従事者の意識水準が市場の成長速度に追いつかず、今回の事件が起きたと見ることができる。ウォン教授は「今も匿名掲示板で自分が支持したり、好んだりする俳優に対して根拠のない話が出ている。そんな現象が苦々しい」とし、「ミュージカル市場が急速に膨張したことによる反作用ではないかと思う。今は成長よりも、成熟を考えなければならない時期」と伝えた。

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