感動を呼んだ『私たちのブルース』、超豪華ドラマの演出を手掛けた監督陣が明かす制作秘話

2022年06月19日 テレビ #韓国ドラマ

多くの人の“人生ドラマ”となった『私たちのブルース』の制作秘話をキム・ギュテ、キム・ヤンヒ、イ・ジョンムク監督が明らかにした。

【写真】『私たちのブルース』と全然違う…女優ハン・ジミン

去る6月12日に放映終了したドラマ『私たちのブルース』(tvN、脚本ノ・ヒギョン、演出キム・ギュテ、キム・ヤンヒ、イ・ジョンムク、企画スタジオドラゴン)は、人生の崖っぷち、絶頂、またはスタートにいるすべての人々の甘くて苦い人生を応援するオムニバスドラマだ。

「生きている私たちみんなが幸せ」というノ・ヒギョン作家のメッセージを伝え、最終回の最高視聴率が18.6%(有料プラットフォーム、首都圏世帯基準/ニールセンコリア提供)を突破するなど、多くの愛を受けた。Netflixでも好評配信中だ。

ノ・ヒギョン作家と6回目の呼吸を合わせたキム・ギュテ監督を筆頭に、キム・ヤンヒ、イ・ジョンムク監督は15人の主人公、9つのエピソードを合わせる演出で、作品への没入感を引き上げた。

監督陣は「台本の執筆が撮影が始まる時点でほぼ終わったので、作品について深く考え、議論する時間があったことが良かった」と完成度を高めることができた理由を語り、「各エピソードが“一本の映画”のようになればと思ったし、人物の心理を緻密に扱おうとした」と演出で最も重点を置いた部分を説明した。

監督陣は、視聴者を泣かせた最後のエピソード「オクドンとドンソク」について、「女優キム・ヘジャ(オクドン役)、俳優イ・ビョンホン(ドンソク役)の演技のアンサンブルが期待以上だった。立っているだけでも絵になった」と話し、「雪が積もった漢拏山(ハンラサン)のシーンは最も心配が多かったが、驚くべきことに撮影日は台本の状況にぴったりの天気になった」と、名シーン誕生の秘話を語った。

(写真=『私たちのブルース』)

制作陣を通じて進行されたキム・ギュテ、キム・ヤンヒ、イ・ジョンムク監督の書面インタビューを見ていこう。

―最初のエピソードを「ハンスとウニ」にした理由は? チャ・スンウォン(ハンス役)、イ・ジョンウン(ウニ役)の再発見も印象的だった。

ウニは「プルン村」コミュニティの中心にいる。ハンス、ミラン、イングォン、ホシクの高校の同級生であり、時にはオクドンやチュニの娘であり、ドンソクやチョンジュンの姉であり、陸地から来たヨンオクにとってはホームメイトだ。劇中のイングォンのセリフのように、ウニはプルン村の柱であり終着駅だ。そんなウニを筆頭にオムニバスを始めるのがプルン村という仮想の世界観を視聴者たちに快適に紹介できる方法だと考えた。

さらに、“初恋”に関しては人々が共感できるコードであるため、最も大衆的だと思った。俳優チャ・スンウォンと女優イ・ジョンウンの場合、ケミストリーはすべてのエピソードのなかで最も予想されない、だからこそ新鮮な組み合わせだったと思う。初撮影時から2人の俳優の呼吸がとても良かった。

―ソナ(演者シン・ミナ)のうつ病の演出も多くの関心を集めた。シン・ミナとこの場面をどうやって作ったのか。

ソナのうつ病の表現は、演出的な課題だった。VFX(視覚的特殊効果)を最大限止め、俳優の演技のトーンを信じて表現することが物語のトーンに最もよく合うと思った。脚本家が描き出す“うつ病”が、単純に無気力で絶望的な感じではなく、非常に複合的な側面があったが、その微妙な地点をシン・ミナが卓越に表現してくれ、演出者として本当に頼りになった。特に防波堤で息子ヨルのセリフを回想しながら絶望するシーンでは、シン・ミナの目つき一つで台本にあった細かなディテールと状況が一度に表現された。演出者として本当に刺激的な瞬間だった。

(写真=『私たちのブルース』)

―ヨンヒの登場で、ヨンオク(演者ハン・ジミン)とチョンジュン(演者キム・ウビン)のロマンスも前半部と後半部で雰囲気が大きく変わった。この3人の関係は、どう映ってほしかったのか。

第15話のエンディングを見てから、第4話のエンディングを再び見ると、ハン・ジミンとキム・ウビンの2人の演技が、どれほど細かなディテールまで表現されているのかを感じることができる。チョンジュンの告白に、「彼が本当に好きになるだろうか」と怖くなったヨンオクの揺れる目つきは、ハン・ジミンだけが表現できただろう。チョンジュンは温かく、深く考えることができて、待つこともできる成熟した男主人公の姿をしている。キム・ウビンの実際の姿がチョンジュンと似ている部分が多い。

ヨンヒの登場でロマンチックなコメディに近かった2人の愛は、人生をかけて立ち向かうメロドラマに転換される。何か障害物を克服するのではなく、3人がどう成長し、どうお互いを受け入れるのかにフォーカスを合わせた。

―ヨンヒ役を実際のダウン症候群である女優チョン・ウネが演じ、多くの注目を集めた。作業の感想が気になる。

実際にダウン症候群の俳優がヨンヒを演じなければ、このエピソードの意義が薄められてしまっただろう。プレゼントのようにチョン・ウネに会うことになった。編集が完成する過程で、彼女の演技が与える感動がものすごいということに気づいた。制作陣も実は劇中のチョンジュンのように、ダウン症候群について、チョン・ウネについてよく知らなかったため、率直に言って心配も多かった。序盤の撮影は、超緊張状態だった。それでもチョン・ウネが思ったより早く適応してくれ、撮影自体を楽しんだ。撮影が進むほど、チョン・ウネ特有の明るい性格のおかげで、現場の雰囲気がさらに良くなった。

(写真=『私たちのブルース』)

―ミランとウニの中年女性の友情も多くの注目を集めた。ノ・ヒギョン作家も「包丁で刺身を作るように、一刀一刀、切り刻む演技をした」と印象深く見たオム・ジョンファ(ミラン役)、イ・ジョンウン(ウニ役)の演技。現場ではどうだったのか。

おそらくこの場面が20話を通して最も長い場面だろう。さらに2人の人物が執拗にセリフだけで演技をしなければならないシーンであったため、撮影前には心配もあった。しかしリハーサルが始まって、心配は驚きに変わった。2人の俳優が緊張感を維持しながら一言一言話すが、現場にいる皆が息を殺した。感情を表現するときと抑制するときを調節する2人の演技は、最高だった。

―『私たちのブルース』を通じて発見された俳優たちもいる。パク・ジファン(イングォン役)、チェ・ヨンジュン(ホシク役)、ペ・ヒョンソン(ヒョン役)、ノ・ユンソ(ヨンジュ役)だ。

俳優パク・ジファン、チェ・ヨンジュンの場合、数多くのドラマや映画でシーンスティーラーとして、演技力が証明された俳優だった。実際、2人の年齢が1980年生まれで、劇中の年齢に比べてかなり幼いが、俳優の魅力だけを信じてキャスティングした。魅力的で演技力が優れた俳優たちが主人公としての演技をしたときの爆発力はどうなのか、とても見たかったし、制作陣の期待した通り、視聴者の方々が大きな反応をしてくれてとてもありがたかった。

ペ・ヒョンソンは実際に会ってみると、純粋で整った感じの間に非常に鋭い線が見えた。ヒョンは、やくざのようなイングォンと最後まで張りつめなければならない役割だったため、ペ・ヒョンソンの二重的な魅力がとても気に入った。ノ・ユンソはちょっとありふれた話かもしれないが、オーディションを受けたとき、本当にヨンジュが歩いてくるような感じだった。演技の経歴が皆無だというのが悩みだったが、数回のミーティングを通じて確信を持ってキャスティングをしたが、期待よりはるかに超えて上手に演技してくれてありがたかった。

―視聴者の反応のなかで、記憶に残るコメントがあるとしたら。

―「ヨンオクとチョンジュン、そしてヨンヒ」編の映像に、発達障害の妹を持つ視聴者のコメントを見て、たくさん泣いた記憶が思い出される。SNSに長い感想があり、ハッシュタグで「#ヨンオク結婚できる」「#愛を信じて」と残してくれたのだが、プロダクションのすべての疲れが一瞬で飛ぶほどありがたく、大切なコメントだった。ドラマと同じくらい、視聴者の貴重な反応を見て多く泣いた記憶がある。本当にありがたかった。

―『私たちのブルース』を愛してくれた視聴者に最後に挨拶を。

ノ・ヒギョン作家の言葉を引用して、ぜひもう一度申し上げたい言葉。私たちはただ幸せになるために生まれたということ。すべての方々が幸せでありますように。

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