BTSの“兵役免除”に向けた最後の機会? 11月25日の会議で「大衆文化芸術人への冷遇」は解消されるか

2021年11月22日 話題 #兵役 #BTS

今から半世紀前の1973年に導入された韓国の兵役法が、再び“厄介な問題”として浮上する見通しだ。

来る11月25日、兵役法改正案が議論される予定で、それを通じて世界的なグループとして活躍中のBTS(防弾少年団)が兵役の恩恵を受けるかについて注目が集中している。

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兵役法改正案は先立って9月、国防委員会・小委員会会議で案件に取り上げられず、議論が不発のまま終わった。それから2カ月ぶりに行われる国防委員会・法案審査小委員会の会議で、「芸術・体育要員編入対象に大衆文化芸術人を含めよう」という内容が込められた兵役法改正案議論が再開されるものと見られる。

現行の兵役法によると、大衆芸術人は芸術・体育分野の特技者として認められない。国内外の芸術競演大会上位入賞者や国家無形文化財履修者、オリンピックおよびアジア競技大会の上位入賞者などだけが、いわゆる“兵役免除”の対象となる。

先立ってユン・サンヒョン議員をはじめ、一部の国会議員が発議した兵役法一部改正案には、芸術・体育要員の編入対象に大衆文化芸術人を含めようという内容が込められており、大衆文化芸術人を冷遇する現行兵役法の改正を促した。

また韓国音楽コンテンツ協会も、兵役法の一部改正案の国会通過を希望するとの立場を伝えている。同協会は、大衆音楽チャートであるガオンチャートの年間アルバム販売枚数を根拠に、「最近K-POPアルバム市場が急成長したのは、グループBTSが大きな影響を及ぼしたからだ」と、兵役での特例を検討するよう主張した。

韓国音楽コンテンツ協会のチェ・グァンホ事務総長は、「BTSがアルバムを発表するたびに記録を更新し、言葉にできないほどの販売枚数を記録している。BTSだけがアルバムを数百万枚売り上げ、市場を独占しているのではなく、BTSを通じてK-POPアーティストたちのグローバル認知度が上昇しながら、トリクルダウンとして作用した」と強調した。

(写真提供=BIGHIT MUSIC)BTS

最近、BTSのグローバル人気と彼らの計画に伴う経済的効果が数兆ウォン(数千億円)に上るという分析も出ている。外国人がBTSの歌で韓国語を学ぶなど、韓国観光、文化などまで範囲を広げれば、その広報効果はさらに大きいと予想される。BTSの影響力でK-POPに対する見方も変化しただけに、今回の改正案議論の結果には、さらに関心が集まっている。

BTSは2020年8月に発売した初の英語シングル『Dynamite』で、韓国大衆音楽史上初めて米ビルボードのメインシングルチャート「HOT100」のトップに上がった。以降、BTSは今年5月に『Butter』、7月に『Permission to Dance』を相次いで発売し、グローバル人気を確固たるものにした。両曲とも「HOT100」チャート1位を飾り、長期的なヒットとなった。さらに熱くなる人気のなかで、韓国大衆歌手として初めてグラミー賞にノミネートされるなど、アメリカだけでなく、グローバル音楽市場を代表する“主流”として定着した。

BTSの急成長と共に、K-POPも韓国を代表する文化として急浮上した。1年間の韓流イシューを分析し、国家別の韓流現況を要約提示する韓国国際文化交流振興院の「2021グローバル韓流トレンド」によると、K-POPが16.8%の回答率で4年連続「韓国連想イメージ」1位に上がった。

自然にK-POPとK-POPグループが韓国文化とハングルを代表する“文化使節”となった。中心に立ったグループは、他でもなくBTSだ。

彼らは最近、「未来世代と文化のための大統領特別使節」の資格で、国連総会場で演説し、パフォーマンスまで披露した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はBTSを文化特使に任命し、「(BTSは)K-POP、K-文化の地位をさらに高め、大韓民国の品格を非常に高めてくれた。外国首脳に会えばBTSをテーマに対話を始めることも多いおかげで、外交活動が容易になった」と話した。

BTSは音楽を通じてハングルを知らせる点でも先駆けだ。昨年11月に発表したアルバム『BE』のタイトル曲『Life Goes On』の歌詞は、ほとんどがハングル歌詞であるにもかかわらず、米ビルボード「HOT100」チャート1位に上がる快挙を達成した。韓国語の歌が該当チャートのトップに立ったのは、ビルボードの歴史上、初めてのことだった。

これに対してアメリカの有力経済誌『フォーブス』は、「歌詞のほとんどがハングルで作られた『Life Goes On』が1位を占めたのは人種差別、外国人嫌悪などが根強い古い西欧音楽産業の慣習を転覆させたもの」と絶賛した。

今年5月、マクドナルドがBTSと手を取り、世界50カ国に「BTSセット」を発売したことも、やはりハングルを広く知らせた事例だ。ソース包装紙には英語とともにハングルで内容物が説明され、各国のマクドナルドクルーが着たTシャツには、「ㅂㅌㅅㄴㄷ」(防弾少年団)、「ㅁㄷㄴㄷ」(マクドナルド)のようなハングル子音が刻まれた。

BTSはアメリカの有名番組を通じて景福宮・勤政殿を背景に『IDOL』を、慶会楼で『Mikrokosmos』を熱唱し、韓国文化伝播の先頭を歩き、その結果、国家イメージの向上と国威宣揚の側面で、芸術・スポーツ分野に劣らないという評価を受けた。

兵役法改正案を抜きにしても、大衆文化芸術人を芸術・体育要員として認めなければならないかについての議論が着実に続いている理由だ。世界を席巻し、国威宣揚の先頭に立つ大衆文化界を冷遇する兵役特例制がはたして公正なのかという疑問が、今回の機会を通じて解消されるかどうかが注目される。

(記事提供=OSEN)

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