ついに事実と明らかになったK-POP界のチャート不正操作…音源の“買い占め”問題は解消できるか

2021年11月08日 K-POP

歌手ヨンタクのヒット曲『お前がなぜそこから出てくる』(原題)が音源の“買い占め”でチャートを不正操作したという事実が明らかになった。それを受けて、これまで噂だけが出回っていた音源チャートの順位操作問題を再び公論化しなければならないという声が高まっている。

【なぜ?】音源の“買い占め”が起こる理由「チャート依存」とは

ソウル警察庁は、ヨンタクの『お前がなぜそこから出てくる』の音源買い占め(音楽産業振興に関する法律違反)容疑の捜査を進めた結果、所属事務所MILAGROエンターテインメントのイ・ジェギュ代表を去る11月1日に起訴意見で検察に送致した。

2018年1月に発売された同曲のチャート順位を上げて収益を得ようと、ストリーミング再生回数を操作できるマーケティング業者として紹介されたA氏に3000万ウォン(約300万円)を支払い、音源の買い占めを依頼したという疑いだ。

過去数年間、音源買い占めが横行しているとの噂は多かったが、事実として確認されたのは今回が初めてであるだけに、大きな波紋が予想される。今回の事案の場合、警察の捜査を通じて真相が明らかになっただけでなく、当事者も誤りを認めた。

ただ所属事務所側は、「2019年、無名歌手の曲を多くの方に知らせようとする個人的な欲で、しばらく理性を失い、やってはいけない行動をした」としながらも、ヨンタク本人の関与については否定した。ヨンタクも買い占めがあったことを知らなかったとし、「すでに捜査機関に出頭して調査を受け、この件と関連して嫌疑なしと明らかになった」と線を引いた。

(写真提供=MILAGROエンターテインメント)ヨンタク

音源チャートの不正操作はなくなるか

一方でK-POP界は、噂だけが多発していた音源買い占めが初めて究明されたという点に注目している。

そもそも音源の買い占めは、ブローカーにお金を支払い、特定の音源を回して音源チャートの順位を操作する違法行為を意味する。これまで様々な疑惑が捜査網をくぐり抜けたが、今回は取引の状況がとらえられ、その実体が明らかになった。業界では、むしろ良かったという雰囲気まである。

音源の買い占め問題を根絶しようと2013年、SMエンターテインメント、YGエンターテインメント、JYPエンターテインメント、スター帝国の4つの大手芸能事務所がソウル中央地検に音源市場の買い占め疑惑捜査を依頼したが、当時は明確な成果を得られなかった。

また2018年からは、ソーシャルメディアを通じた「バイラルマーケティング」(口コミを利用して低コストで顧客獲得を図る手法)が論議の対象となり、一部のバラード歌手たちが疑惑を受け、買い占め現場と疑われる現場写真がメディアに報道されたりしたが、議論に上がった当事者らがすべて強く否定した。

昨年、歌手パクキョンが数人の歌手の実名に言及し、音源買い占め疑惑を公論化したが、名誉毀損で有罪判決を受けた。それによってK-POP界には、買い占め疑惑を公開的に指摘することは負担という雰囲気が造成された。司法当局も文化体育観光部の監査結果資料と、韓国大手ストリーミングサイトMelonのデータ協力を通じて1年近く捜査したが、音源買い占めの有無を判断するのが難しいという立場を出した。

そんななか、ヨンタクの所属事務所代表が音源買い占めを直接認め、K-POP界では大きな変化があると見ている。とある関係者は、「今回の事件は“ヨンタク本人が買い占めの事実を知っていたのか、知らなかったのか”が問題ではない。これは氷山の一角だ」と強調し、「ヨンタクの所属事務所の依頼を受けた業者をはじめ、さらに多くの買い占め事例が摘発される可能性がある」と話した。

今回の事件をきっかけに音源チャートの透明性を強化しなければならないという声も高まっている。

音源買い占め論議の中心に立ったMelonは、リアルタイムチャートを廃止し、24Hitsチャートを出した。そのおかげで買い占め騒動は幾分、鎮静化した。しかし今年8月にMelonが「新規音源のランクインに限界がある」とし、買い占め問題で廃止したTOP100を再び復活させながらチャートの歪曲を再び煽るのではないかという指摘が提起された。

TOP100チャートは、最新1時間の利用量と24時間の利用量を50対50の比重で合算して作られる。事実上のリアルタイムチャートを再び出したことと変わらないという批判も受けた。音源買い占めの目的がチャートの上位に入ることであるだけに、順位競争を最小化しなければ副作用を防ぐことはできないという意見も出ている。

また別の視点からは、今回の議論と関係のないアーティストたちが被害を受ける可能性があるという懸念が出ている。

とある企画会社関係者は、「音源買い占めのブローカーを装ったマーケティング業者にお金を支払ったというが、実際はブローカーではなく単純な詐欺師である可能性も高いので、もう少し見守らなければならない」とし、「この間、音源買い占め疑惑を否定してきた一部歌手たちが無実の被害を受けることもありえる」と憂慮の声を出した。

また別の関係者は、「今回を機会に、隠されていた音源買い占め疑惑について公論の場を作り、K-POP界が一緒に問題を根絶することが重要だ」と話した。

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