インデペンデント映画やLGBTQ作品まで…「釜山国際映画祭」開催中の韓国で広がる多様な祭典

2021年10月10日 映画 #韓国映画

アジアの新人監督作品を中心に取り扱う「第26回釜山国際映画祭」(以下、BIFF)が10月7~15日にわたって開催されている中、これよりも規模は小さいが、映画に対する真剣みあふれる多様な映画祭が韓国で相次いで開催される。

予算や規模をはじめ、コロナ禍の影響でいつになく厳しい状況だが、映画という共通項で疎通し、観客を迎える準備に追われている。

まず10月15~17日にかけて、大田(テジョン)一帯で開催される「第21回大韓民国青少年映画祭」は、韓国映画界をリードする青少年映画の関係者を督励し、発掘するという抱負を語っている。

ここには、ガールズグループI.O.I出身の女優イム・ナヨンが本選審査委員として活躍した上、公式トレーラー映像の主演にも抜擢され、広報の一助となった。イム・ナヨンは「より多くの方々が青少年映画に携わる人に関心を持って、韓国青少年映画祭を楽しんでほしい」と感想を伝えた。

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そして11月20~28日には、「第4回金浦(キンポ)国際青少年映画祭」が開催を控えている。この映画祭は青少年と市民が直接作っていく映画祭というモットーの下、今年で4回目を迎える。韓国映画の地位が年々グローバル化するにつれ、映画界の未来を担う青少年に対する関心と期待も集中している。

現代社会にマッチした映画祭も

(写真提供=ソウル独立映画祭)

インデペンデント映画、LGBT映画など多様なジャンルの映画祭も用意されている。

今年で11回目を迎える「ソウル国際プライド映画祭」は、11月4~10日にわたってCGV明洞駅シネマライブラリーで行われる。この映画祭は、韓国内外の優れた作品性を備えた多様なクィア(Queer、セクシャルマイノリティ全体を包括する用語として肯定的な意味で使われていることば)映画を披露し、多様性を享受できる文化フェスティバルとして開催。2019年には国際映画祭にも昇格し、今年は世界32カ国124編の規模で開催されるなど、絶えず成長している。

執行委員長を務めるキム・ジョグァンス監督のほか、キム・テヨン監督、モデル兼俳優のイ・ヨンジン、国会議員のシム・サンジョン、歌手のハ・リス、タレントのホン・ソクチョンなどが執行委員として活躍する予定だ。

また、「ソウル独立映画祭2021」も11月25日~12月3日までの9日間、CGVアートハウス狎鴎亭(アックジョン)、CGV狎鴎亭で行われる。賞金総額8300万ウォン(約830万円)の競争独立映画祭で、インデペンデント映画の活性化を期待し、応援する祭典になると予想される。

「第3回江陵(カンヌン)国際映画祭」も10月22~31日まで開かれ、9つの国際映画祭、10人の前職・現職トップが集まる行事も行われる。各映画祭のトップ集まり、ビジョンと連帯案を模索する江陵フォーラムは、この映画祭の特徴で、釜山国際映画祭を長く率いてきたキム・ドンホ江陵映画祭理事長の人脈が力を発揮するイベントでもある。今年は、ロッテルダム国際映画祭の国際映画祭執行委員長など10人の関係者が溟州(ミョンジュ)芸術広場に集まり、映画の未来について討論する。

短編監督週間と長編監督週間を分けて話題を集めた「第6回忠武路(チュンムロ)映画祭-監督週間」は、10月22~30日まで行われる。『梨泰院クラス』『野球少女』に出演した女優のイ・ジュヨン、キム・テヨン監督、イ・オクソプ監督たちが短編競争部門の最終審査委員に選ばれたことも話題となっている。

韓国には歴史ある映画祭も多いが、長い映画史の中で多様な性格の映画祭もたくさん誕生した。これまで釜山国際映画祭を除いては、比較的関心が薄いのが現実だったが、関係者らは韓国映画の飛躍的な発展のため、様々な映画祭が尊重され歓迎される雰囲気になることを期待しているという。

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