7~8月開催予定のコンサートが相次いで中止・延期…新型コロナの再拡大で“ピンチ”の韓国音楽界

下半期の大衆音楽公演市場が久しぶりに活気を取り戻すものと期待を集めたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大によって足止めを食らうことになった。

【関連】BTS、オンラインコンサートで最も収益を上げたアーティストに

韓国首都圏で「社会的距離確保措置」が最高水準の第4段階に再編されたことで、大衆音楽界が非常事態に陥っている。

当初は今月からコンサートの入場観客数が最大5000人まで認められたことで、さまざまなイベントが開催を予定していた。ところが、今回の「社会的距離確保措置」見直しによって相次いでキャンセルや延期措置がなされている。

来る7月25日まで首都圏全体に適用される「社会的距離確保措置」は、正規公演施設で開かれる公演は防疫規制を守る条件で開催が認められている。だが、体操競技場や公園以外の室内外施設で開かれる大規模公演は、ジャンルを問わず開催が禁止されている。

第4段階の場合でも、夜10時前に終わる公演に関しては最大5000人まで収容が可能ではあるが、首都圏の大規模コンサートは大半が臨時の室内外施設で開催されるほか、地方自治体の集合制限の行政命令を受けることになるため、キャンセルや延期を避けられなくなった。

(写真=SHOWPLAY、韓国マネジメント連合)

結局、公演のキャンセルやオンライン開催に変更する事例が多く現れている。

『シングアゲインTOP10』の全国ツアーは今月10日に水原(スウォン)室内体育館で行われる予定だったが、公演前日にキャンセルが決定。今月24日に予定されていた高陽(コヤン)公演もキャンセルになった。

また、今月16日から18日までオリンピック公園体操競技場で計画されていた『ミスター・トロット』TOP6のソウル公演は無期限延期となり、今月23日から25日まで水原コンベンションセンターで予定されていた『ミスター・トロット』全国ツアーの水原公演は行政命令によって中止となった。

観客を迎える準備をしていたオフラインK-POPコンサートも、新型コロナの影響をもろに受けた。

来る17日、オリンピック公園SKハンドボール競技場で開かれる予定だった「2021 また一緒に、K-POPコンサート」は、オフラインからオンライン開催に変更された。NCT DREAM、OH MY GIRL、BTOBなどが出演する予定で、新型コロナが流行して以降、韓国で初めて開かれる大型オフラインK-POPコンサートとして注目を集めたが、オフラインでの開催は叶わなかった。

限界に立たされた韓国エンタメ業界

今月から8月まで開催を予定していた『ミスター・トロット』や歌手ナ・フナのコンサートは、非常事態に突入した。下半期のコンサート開催を準備していた企画会社も、今までの計画を修正する必要が出てきた。公演関係者は「やっと一息つけると思ったが、社会的距離確保措置によって計画を全体的に見直さなければならない危機だ。内部も“限界に達した”という雰囲気だ」とため息をついた。

さらに、最近ではINFINITEのソンギュやLovelyzのジス、ATEEZのサンが相次いで新型コロナ陽性と判定され、SEVENTEENやBrave Girls、LIGHTSUMなど活動中だった多数のアイドルグループが検査後の自主隔離で活動中断を余儀なくされるなど、スケジュールへの支障も避けられないのが現状だ。

SEVENTEENや Brave Girlsなどはファンミーティングをオフラインで行う予定だったが、変更される可能性は高いと見られる。ある歌謡事務所の関係者は、「ワクチン接種が増えて新規感染者数が減ったことで、下半期にはオフライン活動とコンサートができると期待していたが、急な感染者増加によって、オンラインを中心に再びカムバック活動の方向を修正している」と述べた。

韓国の大衆音楽公演界は、新型コロナの影響で2年近く公演のキャンセルと延期を繰り返したことで危機を迎えている。韓国音楽レーベル産業協会によると、昨年2月から今月5月にかけての国内大衆音楽公演の被害試算額は約1840億ウォン(日本円=約184億円)に上る。

最近では、1年8カ月ぶりに大型野外音楽フェスティバルの「Beautiful Mint Life 2021」が開かれ、『シングアゲインTOP10』ソウル公演も無事に開催されたことで、大衆音楽のコンサート市場が蘇るものと期待されていた。

しかし、今回の新型コロナ再拡大によって、大衆音楽コンサート業界は再び苦境に立たされることになってしまった。

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集