俳優キム・ミョンミン、“恵みの雨”のようだった復帰作『ロースクール』を振り返る【インタビュー】

2021年06月14日 話題 #Netflix #韓国ドラマ

『白い巨塔』や『ベートーベン・ウィルス ~愛と情熱のシンフォニー~』でブームを巻き起こした俳優キム・ミョンミンが、今度は『ロースクール』のヤン・ジョンフン役で再び存在感を発揮した。

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キム・ミョンミンは「刺激的なジャンル物が溢れ出る時期に、『ロースクール』はドラマの正統性と真正性が生きた恵みの雨のような作品だった」と、『ロースクール』を振り返る。

Netflixでも配信された同作は、最終回の視聴率6.1%(全国基準)で有終の美を飾った。キム・ミョンミンは「SNSをやっていないので視聴者の反応に鈍感なほうだが、今回は『面白い』『オンエアを見に帰らなきゃ』という知人らの反応が多かった。息子も友だちから『君のお父さん、カッコいいね』と言われたそうで、不思議な感じだった」

(写真=JTBC)

キム・ミョンミンが3年ぶりのドラマ復帰作として『ロースクール』を選んだのは、演出を担当したキム・ソクユン監督への信頼が最も大きかった。映画『朝鮮名探偵』シリーズでもキム監督とタッグを組んでいるキム・ミョンミンは、「『ロースクール』の演出をキム監督が担当するなら僕も出演すると逆に提案した」と明かし、強い信頼を示した。

ただ、何よりも彼を魅了したのは「台本だった」という。

「法学専門大学院に関するミステリーは初めてで、面白かった。1つの事件が全体を通しながらも各人物のエピソードで豊富な見どころを生み出せるのは大変なこと。刺激的なジャンルに集中されている現時点で、素晴らしいドラマだった。流行を追うこともいいが、ドラマの伝統性と真正性を守るべきだと思う」

難しい法律用語と長い台詞をこなさなけれなならず、絶え間ない努力が必要だった。

「台本を200%理解した上で覚えるしかなかった。寝言を言うほど、すらすら話せるまで覚えた。ヤン・ジョンフンの口を通じて厳しい内容を理解させることを脚本家さんが望んでいたので、知人の前で演じてみたりしながら覚えた。役者としての責任を感じながら悩んだ」

(写真=C-JeSエンターテインメント)

キム・ミョンミンは、一緒に共演した俳優たちへの感謝も忘れなかった。

劇中で教授仲間キム・ウンスクを演じた女優イ・ジョンウンについては「実際にも僕が本音を打ち明けられる唯一の人」と紹介。「初めての飲み会で僕のすべてを話し、ヌナ(姉さん)と呼んだ。彼女は相手の本音を引き出す不思議な才能がある。ありがとう、ヌナ!」と、親指を立てた。

また、弟子のハン・ジュンフィ役のキム・ボムについては「『朝鮮名探偵3』以来の再会だったが、真面目に取り組む姿がカッコいい。俳優としても人間としても魅力的だ。今回、ようやくヒョン(兄貴)、ドンセン(弟)と呼び合う親しい関係になった」と喜びを表し、カン・ソルAを演じたリュ・ヘヨンも「難しい役だったので気苦労が絶えなかったが、乗り越えながら演じる姿が可愛かった」と褒めている。

(写真=JTBC)

辛口な言葉で学生たちを追い込む恐怖の“ヤンクラテス”は、『ベートーベン・ウィルス』のカン・マエを想起させる。

「定期的にこんなキャラクターのオファーが入る。ヤン・ジョンフンとカン・マエの口調や語尾などが似ているので、最初は断ろうとした。しかし、カン・マエのような姿を再び視聴者に見せたいという監督の言葉に悩んだ末に出演することになった」

だからこそ、既視感を克服することがキム・ミョンミンの課題だった。

「俳優として同じ演技をするわけにはいかない。既視感を克服するのがあまりにも大変で、自信もなかった。いろんな模索をしたが、結果的には似ていると思う。もし視聴者が望むのであれば、10年後くらいにまた似たようなキャラクターを演じる意向はあるが、わざわざ探すつもりはない」

(写真=C-JeSエンターテインメント)

ただ、『ロースクール』シーズン2に対する期待感は隠さなかった。

「コンテンツに10分以上集中するのが難しい現状だが、このドラマがうまくアピールできたようで嬉しいし、依然として伝統性のあるドラマに対する渇望があることを実感した。もしシーズン2があるならこの上なく嬉しい。そしたら“ツンデレな”ヤン・ジョンフンの人間的な姿がもっと見られるんじゃないだろうか」

1996年にデビューし、優れた演技力で“信じて見る俳優”として確固たる地位を築いたキム・ミョンミン。そのことについて「恥ずかしい」と笑った彼は、「最近はいろんな枕詞が付くけど、僕はただ『俳優キム・ミョンミン』と呼ばれるのが好きだ。俳優という言葉が僕に与える大きな意味がある。自分の役割を果たしているという意味なので、光栄な呼称だ。僕のことをただ真の俳優になりたがっている人として見ていただけるとありがたい」と語った。(了)

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