主演俳優ジスが学生時代の“いじめ問題”で降板した韓国ドラマ『月が浮かぶ川』(原題)の制作会社ビクトリーコンテンツが、ジスの所属事務所キーイーストに提起した損賠賠償請求について立場を明かした。
ビクトリーコンテンツは5月26日、公式立場を発表して「当社がソウル中央地方裁判所にキーイーストを相手に提起した損害賠償請求の最初の調整期日が2021年5月20日だった。ところが、キーイースト側は法律代理人を送っただけで、会社側の関係者は一人も参加せず、積極的に損害賠償に臨むというメディアの報道とは異なる形態を見せている」と説明した。
続いて「さらに調整期日直前に提出された準備書面を見ると、キーイーストの表と裏が違うということが如実に表れている」と指摘。ビクトリーコンテンツによれば、キーイーストは「ジスの降板は事実関係の綿密な確認なしに、当社とKBSの一方的な通告によるであるため、自分たちは契約違反には責任がない」と主張しており、ビクトリーコンテンツの訴訟提起についても「ジスの学校暴力議論を奇貨とし、自分が実際に被った損害、それ以上の金銭的利益を得ようとしていると思われる」と話しているという。
ビクトリーコンテンツは、「ジス本人が学校暴力を認めて謝罪したにもかかわらず、キーイーストは、まるでジスの学校暴力が事実ではないかのように事実関係を歪曲し、当社はもちろん、再撮影のために苦痛を甘受した俳優、監督、作家および、すべてのスタッフに、さらには学校暴力被害者に対して2次加害を犯している」と強調し、キーイーストを強く批判した。
そして「韓流スター、イ・ヨンエを主演にする制作費400億ウォン(約40億円)の『クギョンイ』など、新しいドラマの宣伝は大きくしていると見えるが、当社の損害については一銭の損害賠償額も支給していない」と付け加えた。
先立って『月が浮かぶ川』の制作会社ビクトリーコンテンツは4月2日、「当社は2021年4月1日付でキーイーストを相手に、当社の損害額の一部を請求する損害賠償請求訴訟をソウル中央地方裁判所に提起した」と発表した。
ビクトリーコンテンツは「この事件はキーイーストの所属俳優であるジスの学校暴力と関連している」とし、「当社は再撮影による各種スタッフのコスト、場所や機器の使用料、出演料、美術費などの直接的な損害を被り、他にも視聴率の低下、海外顧客のクレーム、期待売上高の減少、会社イメージの毀損など、相当の期間、将来まで影響を与えうる巨大な損害が今も続いている」と強調した。
そして「キーイースト側と損害賠償に対する協議を誠実に進めようとしたが、キーイースト側の非協力により、やむを得ずこの事件の訴訟を提起した」と説明した。
それに対してジスの所属事務所キーイーストは同日、「突然の俳優の交代による制作会社と複数の制作陣が経験する困難な状況に深く共感し、俳優ジスの分量代替のための追加撮影分に要した合理的な費用に限り、責任を負う意向があることを明らかにした」と伝えた。
続いて「ビクトリーコンテンツ側が提示した制作費の推定額で最終合意をするには、具体的な根拠が不足するため、実際の精算内訳を提供してもらえるよう丁重に要請した」とし、「まだ撮影が進行中で最終精算までには1カ月以上の時間がかかる予定であるため、その前からもまずは助けになろうと、いくつか先払いをさせてほしいとまで提案した」と明かした。
そして「ビクトリーコンテンツ側が主張するように、当社の非協力的な対応で合意が白紙化したというのは事実と大きく異なる」と強調していた。
両社は激しく対立し、法廷争いは避けられないとされていたなか、最初の調整期日が終わり、ますます意見の食い違いが明確になっている状況だ。
以下、ビクトリーコンテンツの公式立場全文。
◇
-放映中、主演俳優が学校暴力論議で降板する大きな困難があったにもかかわらず、ドラマ『月が浮かぶ川』は、視聴者の方々の応援とドラマ出演陣、制作関係者の方々の努力で、去る2021年4月20日に無事放映終了しました。
-当社がソウル中央地方裁判所にキーイーストを相手に提起した損害賠償請求の最初の調整期日が2021年5月20日でした。ところが、キーイースト側は法律代理人を送っただけで、会社側の関係者は一人も参加せず、積極的に損害賠償に臨むというメディアの報道とは異なる形態を見せています。
-さらに調整期日直前に提出された準備書面を見ると、キーイーストの表と裏が違うということが如実に表れています。キーイーストは「ジスの降板は事実関係の綿密な確認なしに、当社とKBSの一方的な通告によるであるため、自分たちは契約違反には責任がない」と主張し、当社の訴訟提起を「ジスの学校暴力議論を奇貨とし、自分が実際に被った損害、それ以上の金銭的利益を得ようとしていると思われる」と主張しています。
多くの被害者の証言とマスコミの報道で、ジス本人が学校暴力を認めて謝罪したにもかかわらず、キーイーストは、まるでジスの学校暴力が事実ではないかのように事実関係を歪曲し、当社はもちろん、再撮影のために苦痛を甘受した俳優、監督、作家および、すべてのスタッフに、さらには学校暴力被害者に対して2次加害を犯しています。
-キーイーストは、韓流スター、イ・ヨンエを主演にする制作費400億ウォンの『クギョンイ』など、新しいドラマの宣伝は大きくしていると見えるが、当社の損害については一銭の損害賠償額も支給していません。(キーイースト5月20日、報道資料を参照)
-去る3月20日に放映されたMBCの実話探査隊『13年前の記憶』で、ジスから学校暴力を受けた中学校の卒業生は、ジスの暴力について説明し、学校暴力は重大な犯罪とインタビューしたことがあります。本事件のすべての核心は、ジスが学校暴力によって深刻な社会的物議を起こしたことであり、直接的な学校暴力の被害者はもちろん、当社を含む『月が浮かぶ川』のすべての制作陣はそれによる善意の被害者であることが明らかです。
それに対してキーイーストは、所属芸能人ジスが起こした社会的物議と、それによる再撮影のために処理されたすべての損害について、俳優出演契約書の当事者として契約上の責任を負担しなければなりません。
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