新型コロナで亡くなったキム・ギドク監督側が取り下げた訴訟と継続させる訴訟、違いは?

2021年04月30日 話題

映画『うつせみ』『春夏秋冬そして春』などで知られる“鬼才”故キム・ギドク監督側が、韓国女性民友会を相手に提起した損害賠償請求訴訟を取り下げた。

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しかし韓国MBCと女優Aを相手にした損害賠償請求訴訟は継続するという意思を見せ、今後が注目されている。

去る4月29日、韓国法曹界によると、キム・ギドク監督の遺族は、ソウル西部地裁・民事合意14部が審理した韓国女性民友会を相手にした3億ウォン(約3000万円)の損害賠償訴訟を3月25日に取り下げた。

故人は生前、韓国女性民友会が日本のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で公開される自分の映画『人間、スペース、時間および人間』の開幕作選定取り消しを要求したことなどが不法行為であり、性犯罪の烙印が押される名誉毀損行為であり、その映画の海外販売と公開が困難となって莫大な損害を受けたとして、2019年2月に訴訟を提起した。

そんななかキム・ギドク監督が2020年12月11日、ラトビアで新型コロナの合併症で死亡。遺族は訴訟を取り下げることにした。民事訴訟法に基づいて、遺族など相続人が訴訟を受け継ぐこともできるが、取り下げた。

“性的暴行疑惑”を報じた番組と女優への訴訟は継続

ただキム・ギドク監督がMBCの『PD手帳』制作陣2人を相手にソウル西部地裁に提起した1億ウォン(約1000万円)の損害賠償請求訴訟と、自分の“性的暴行疑惑”を報じたMBCとその番組に出演した女優Aに提起した10億ウォン(約1億円)の損害賠償請求訴訟控訴審は、キム監督の娘が訴訟を受け継いで進行される予定だ。

キム・ギドク監督は『メビウス』の撮影当時、途中降板した女優Aからセクハラ、暴行、名誉毀損などの容疑で告訴され、裁判所は2017年12月、キム監督に罰金500万ウォン(約50万円)の略式命令を下して事件を終結した。

しかし2018年に韓国で“MeToo運動”が起こり、同年3月に『PD手帳』はキム・ギドク監督を告訴した女優Aの暴露で再び議論に火をつけた。それに対してキム・ギドク監督は2019年6月、『PD手帳』と女優Aの虚偽の主張で被害を受けたとし、損害賠償請求訴訟を進行したが、1審で敗訴し、現在も控訴審が進められている。

その控訴審を故人の娘が受け継いでいくとされ、再び関心が集まっている。

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