『ヴィンチェンツォ』ソン・ジュンギら俳優3人、悪役以上の“ダークさ”で魅力倍増のワケ

2021年04月21日 テレビ #韓国ドラマ

真摯で真面目な役柄を演じて愛されてきた俳優ソン・ジュンギ、イ・ジェフン、イ・スンギが、“ダークヒーロー”へと変わりながら活躍の幅を広げている。

【写真】ソン・ジュンギ「隙のない」彫刻ビジュアル

視聴者にはカタルシスを与え、俳優には新しい魅力が生じており、喜ばしいことだ。韓国ではダークヒーローがドラマ界を賑わせている。

最終回が近づいてきたtvNのドラマ『ヴィンチェンツォ』は、マフィアの方法で悪者をこらしめるヴィンチェンツォ(演者ソン・ジュンギ)の“報復劇”が、視聴者に痛快さを与えている。

巨大企業バベルグループの極悪非道な悪事に対して、劇中のソン・ジュンギは少しも容赦しない。しかし自分の行動を「正義の具現」というよりは「ゴミを取り除くことゴミ」と称し、ダークヒーローを自任する。視聴率も平均10%台(ニールセンコリア首都圏基準)をキープと好調。日本でもNetflixを通して配信されており、評価が高い。

なぜダークヒーローが人気?

ソン・ジュンギのバトンを引き継いだのはイ・ジェフンだ。

4月9日にベールを脱いだSBSのドラマ『模範タクシー』(原題)は、初回から二桁の視聴率を記録し、第3話に13.6%と高い数字を出した。劇中、特殊部隊出身として登場するイ・ジェフンは、無念の被害者側に立って極悪非道な加害者を断罪するダークヒーローに変身した。

ソン・ジュンギが演じるダークヒーローが知能的であるとすれば、イ・ジェフンが扮するキャラクターは熱いアクションでカタルシスを高める。とあるドラマ関係者は、「奴隷事件、学校暴力、性搾取動画など、実際に韓国社会で起こり、多くの公憤を買った事件が小気味よく処罰され、怒りに満ちていた視聴者に現実の代理となる満足をプレゼントした」と分析した。

イ・スンギは、善と悪の境界に立つ人物を演じている。

tvNのドラマ『マウス』で、純粋で真面目な警察官だったが、犯罪者の前頭葉を移植されたことで身についた殺人本能を、サイコパス殺人犯を追いかけるために使おうとする。特に児童性犯罪者を“目には目を”と残酷に処断する姿が描かれ、殺人魔を捕まえる殺人魔という新たな一面を引き出した。

左からソン・ジュンギ、イ・ジェフン、イ・スンギ

ソン・ジュンギ、イ・ジェフン、イ・スンギは、これまで正義のイメージが強かった俳優だけに、回を重ねるごとにダーク化していく姿は、劇中のおもしろさを倍増させる。俳優たちにとっても、新しい演技挑戦の舞台となるだろう。コミカルさからシリアスさまでを行き来しながら、ダイナミックな活躍を見せ、さらに多様な表現の可能性を証明することができるからだ。

韓国ドラマ業界も、ダークヒーローというテーマに注目している。

とあるテレビ関係者は「悪党たちに対抗するために“悪党の方法”を使って行われる報復は、社会システムとして解決できないことに対する痛快感となるため、視聴者の注目を集めるしかない」とし、「ホットな社会的問題を取り上げることもできる良いテーマだ」と述べた。

ただ、また別の関係者は「法秩序と公権力に対する不信につながる可能性もあり、単純な娯楽的快楽として消費される恐れもある。必要に応じては法律を破り、悪人を活用したりもするため、大部分が18禁の観覧等級だ。したがって暴力性、扇情性に対する警戒も必要だ」と指摘した。

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